研究概要 |
1.置換ベンジルラジカルの励起状態の研究 種々のパラ置換ベンジルクロリドの常温ヘキサン溶液において, 248nmエキシマーレーザー励起により対応するベンジルラジカルを生成し, そのラジカルの過渡吸収スペクトル(Dn←D0)を測定した. この吸収スペクトルに対応する波長の方2段レーザー励起により, ラジカルの蛍光スペクトル(D1→D0)や蛍光寿命を測定した. さらに, 2段階励起過渡吸収スペクトルにより, ラジカルの励起状態の吸収スペクトル(Dn←D1)とその寿命を測定した. これにより, ラジカルの励起状態における緩和過程を明らかにするとともに, 励起状態における反応性が基底状態における反応性と比較して著しく大であることが明らかとなった. 2.ジアリルカルベンの励起状態の研究 常温において, パラ置換ジフエニルカルベンやナフチルフエニルカルベンを対応するジアゾ体よりエキシマーレーザー励起により生成し, 過渡吸収スペクトルを測定した. これによりカルベンの基底状態(T0)みならず, 励起状態の吸収スペクトル(Tn←T1)および寿命を求めた. また2段階励起蛍光法により, カルベンの蛍光スペクトル(T1→T0)および寿命を測定し, これによりカルベンの励起状態のエネルギーレベルを明らかにするとともに, その緩和過程に対するパラ置換基の効果や, カルベン炭素原子とアリル基との分子内囲〓の自由度との関係を明らかにした.
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