研究分担者 |
北嶋 龍雄 山形大学, 工学部, 助教授 (10007247)
宮川 博義 山形大学, 医学部, 助手 (90166124)
伊藤 憲一 山形大学, 医学部, 助手 (40124408)
謝 国章 山形大学, 工学部, 助手 (70007219)
加藤 宏司 山形大学, 医学部, 教授 (30006746)
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研究概要 |
本研究においては, 神経活動電位に伴って発生する磁界の変化をSQUID素子(超伝導リングとジョセフソン素子を組合わせた高感度磁気センサ)を用いて検出し, 更に多点同時記録のためにLSI技術を用いてこの素子を2次元的に基板上に配置した, 新しいセンサを開発することを目的としている. 初めに, トロイダルコイルをセンサとして用いて, 神経活動電位に伴って発生する磁界の検出に関する基礎的検討を行ない, 次いで, SQUID素子をセンサとする磁界検出の検討を行った. 1.磁界検出についての理論的考察 実験にはヤリイカの神経線維束を用いるので, 数百本の太さの異なる線維の活動に伴って生じる神経周辺の磁界をHodgikinとHuxleyの方程式を解くことによって求めた. その結果, 2相性の磁界波形が得られた. これは既に求められている単一軸索の場合とは僅かに異なるものである. 2.トロイダルコイルによる磁界検出 カエルの座骨神経に電気刺激を加えることによって生じる活動電位に伴う磁界の測定を行った. 検出波形は電極波形と相似であり, 50回程度の加算平均により十分実用的な測定法になり得ることが明らかになった. 3.SQUID素子による磁界検出 ヤリイカのヒレ部の線維束を切り出して人工海水中に固定し, 電気刺激によって生じる活動電位及び活動磁界を同時に測定した. センサとしてはRF-SQUID磁束計を行いた. その結果, 電気刺激あるいは外液のNa^+濃度を高めることで発生する活動電位に伴う磁界の変化を検出することができた. 活動磁界は電位と相似であり, さらに1, で求めた理論磁界波形とも相似であることが確かめられた. この測定部における磁束密度は最大値で5.5±3×10^<-3>W6/m^2であった.
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