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1987 年度 実績報告書

高選択的な分子識別能を有する固定化シクロデキストリン単分子膜の合成

研究課題

研究課題/領域番号 62217005
研究機関筑波大学

研究代表者

小宮山 真  筑波大学, 物質工学系, 助教授 (50133096)

キーワードシクロデキストリン / 分子識別 / センサ / 修飾電極 / シクロデキストリンポリマー
研究概要

シクロデキストリンはグルコースが6〜8個環状に結合したオリコ糖であり, ケスト化合物と構造特異的な包接化合物を形成するとともに, 選択的触媒能を示す. したがって, シクロデキストリンの超薄膜が合成できれば, 有用なセンサ材料となることが期待される. しかし, シクロデキストリンの安定な薄膜の合成に関する報告は, これまでにない. 本研究では, シクロデキストリン薄膜の合成方法を検討するとともに, 薄膜中のシクロデキストリンの分子認識能を評価し, 新規なセンサ材料を開発することを目的とした.
シクロデキストリンを水酸化ナトリウム水溶液に溶解し, この溶液とエビクロロヒドリンの蒸気を室温で接触させると, 気一液界面にエビクロロヒドリンで架橋されたシクロデキストリン膜が作成できることを見出した. この薄膜は, 平滑かつ均一であった. シクロデキストリン膜の膜厚は, 反応時間とともに急激に増大し, 10日後には厚さ18ミクロンに達した.
さらに, 水面に生成したシクロデキストリン膜を白金板上にすくい上げることにより, シクロデキストリン膜で皮覆された修飾電極を作成することに成功した. 修飾電極は安定であり, 三日以上水中に放置しても, シクロデキストリンポリマーの水相への溶出は認められなかった.
作成した修飾電極を, 4-ニトロフェノラートの水溶液につけたところ, 電位が負側にシフトした. この電位応答は, 膜中のシクロデキストリンと4-ニトロフェノラートとの複合体形成に起因する. それに対し, 2-および3-ニトロフェノラートに対しては, この修飾電極は, 全く電位応答を示さなかった. すなわち, この修飾電極は, ニトロフェノラートのオルト, メタ, ハラの3種の構造異性体を分子認識し, バラ体に対してのみ著しい応答性を示すことが明らかとなった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Makoto Komiyama: Thin Solid Films. 151. L109-L110 (1987)

  • [文献書誌] 小宮山 真: 高分子論文集.

  • [文献書誌] Makoto Komiyama: Angew Makroml.chem.

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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