研究分担者 |
祖父江 憲治 大阪大学, 医学部, 教授 (20112047)
広川 信隆 東京大学, 医学部, 教授 (20010085)
佐藤 周子 愛知県がんセンター, 研究所, 部長 (30073125)
秦野 節司 名古屋大学, 理学部, 教授 (50022570)
佐藤 英美 名古屋大学, 理学部, 教授 (40109260)
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研究概要 |
本研究は細胞骨格系が担う役割, とくに夛様な細胞機能の制御機構を解明することを目的とし, 22名の研究者からなる班組機で総合的に研究を進めた. 5つの主要課題を設定し, 研究者間の協力および共同研究を促進することにした. なお, 1月28日, 29日の2日間にわたり研究成果発表会を開催した. 主な成果は次の通りである. (1)細胞分裂における細胞骨格の役割:ウニやヒトデ卵について分裂時の微小管配列の変動, 星状体の微小管のラセン配例, チューブリンの量および質の変化を明らかにした. ウニ卵や培養細胞で, 抗チューブリンや抗ダイニン抗体の注入による分裂阻害効果を証明した. また, ウニ卵からの分裂溝, および植物細胞からのフラグもプラストの単離に成功した. (2)ニューロン細胞骨格の役割:ニューロフィラメントの超微構造を構成蛋白との関連で明確にした. 微小管に対するMAPー1やタウ因子の架橋機能を解明した. また, 遅い軸索流を分析し, 細胞骨格蛋白の動きに2つの異なる速度があり, これに蛋白の存在様式が関連していることを示した. (3)細胞運動と細胞骨格線維の動態:粘菌変形体から燐酸化可能でカルシウム感受性のアクチン切断因子を車離できた. 大腸虫で, ルラニウム処理で軸足を縮め, 洗うと殻を脱ぐ現象を見出した. リポソーム内でチューブリンを重合させるモデル実験系をつくり, その動態を分析した. テトラヒメナでアフチンの局在を明確し, 運動運動に係っていることを示した. (4)細胞骨格調節蛋白の分子機能:中間径フィラメントを高度精製し, 燐酸化によって可溶化することを発見した. (5)細胞膜裏打ち構造の機能:肝細胞より細胞接着装置の分離に成功し, その構成蛋白の分布を免疫細胞化学的に明確にした. 腎蔵尿細管の部位による細胞骨格蛋白の分布の差を明確に示した.
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