研究課題/領域番号 |
62300006
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
高木 .隆司 東京農工大学, 工学部, 教授 (80015065)
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研究分担者 |
鳥脇 純一郎 名古屋大学, 工学部, 教授 (30023138)
高橋 徹 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (10004590)
小川 泰 筑波大学, 物理工学系, 教授 (10025364)
川崎 恭治 九州大学, 理学部, 教授 (40037164)
石坂 昭三 筑波大学, 生物科学系, 教授 (10062499)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | パターン / フラクタル / 空間分割 / 細胞集合 / 地形 / 形態計測 / ステレオロジー / 画像解析 |
研究概要 |
最近、形を科学的にとらえ、新しい自然観を打ち立てようという動きが活発になってきた。これには次の2つの側面がある。第1に、自然、あるいは社会における形態形成の機構の解明、第2に、画像処理や表示の技術、あるいは観察した低次元情報から立体構造を推定する技術(ステレオロジー)である。本科学研究費補助金による活動の主旨は、物理学、生物学、医学、物質工学等の自然科学、都市工学等の社会科学、画像解析等の情報科学の研究者が分担して、分野を越えて『形態形成の科学』の発展をめざして共同研究を推進することである。2年間に、総括的集会、「形の空間」、「界面の運動と相似性」、「形態研究における画像解析の役割」、「形態研究とステレオロジー」、「地理・地域・画像解析」の6回の研究集会を企画し、多くの研究を推進した。同時に、画像データベースの技術的な問題点も討論した。個々の分野の成果を要約する。分担課題「空間の性質と分割」では、準結晶の結晶構造とその物理的性質、点配置の統計的性質と社会構造との関連、生物細胞のシート構造の発達、等が明らかになった。T形態形成の機構では、非線形系での形態形成の数学的構造、樹枝状結晶成長の機構、拡散支配凝集(DLA)のフラクタル的性質、ドメイン構造・液体界面・ゲルの形態形成の機構、渦運動や熱対流の動的性質、等が解明された。「形態計測と表現」では、生体組織の立体構造を測定し表示する技術、ディジタル画像から幾何学的性質を抽出する技術、人体のX線像から患部を推定する技術、コンピューターグラフィクスへのフラクタルの応用等が開発された。この2年間の活動を通して、科学としての形態の研究に対する理解と熱意が今までにも増して高まった。これも、本研究の目的のひとつであり、最大の成果のひとつである。
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