研究分担者 |
山本 正夫 奈良女子大学, 理学部, 教授 (80028159)
後藤 俊夫 名古屋大学, 農学部, 教授 (20023369)
拓植 新 名古屋大学, 工学部, 教授 (60023157)
大橋 守 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (70015535)
南原 利夫 東北大学, 薬学部, 教授 (30004534)
|
研究概要 |
昭和62年度は, 先ず基礎研究として各分担課題にとり組み, 次のような成果を上げることができた. 1.誘導体生成ー比較的分子量の大きな生体機能物質の測定にあたり, 通常用いられているシリル誘導体化について, その特異的な反応上の特性を明らかにした. また, 胆汁酸の微量分析において, ペンタフルオロベンジルエステルが負イオンCIにおいて極めて有効であり, 2フェムトグラム程度でさえも分析できることを示した. 2.試料精製ーHPLC/MS直結のインターフェイスとして, 試料溶液を噴霧するための装置を開発した. また, 超臨界流体クロマトグラフィーと質量分析計の直結を試み, 実試料についての測定に成功した. 3.イオン化法ー各種イオン化法の特徴を検討し,FDおよびSIMSによるイオン化の機構について新らしい知見を得た. また, インビームEIによる四級アンモニウム化合物の測定や, デソープションCIによるアプシジン酸関連物質の同定等を行った. 4.高分子量化合物の測定ーモルモットのハーダー腺から得られる糖脂質セレブロシドの構造解析に構造解析にGC/MSが効果的に用いられた. また, 各種の植物病原菌から単離された毒物質の構造決定にもマススペクトルが積極的に利用された. 一方, 花の色素であるアントシアニン類の構造決定においてはFABマススペクトルによる分子量則定が必須であった. アントシアニン類は分子量が大きく(HBアントシアニンでは1759), FABマススペクトル無しではおそらく測定不可能であったであろう. 5.理論的検討ーアルキルシラン類のフラグメンテーションの特徴を明らかにするため, 分子軌道法に基づいた計算が行われた.
|