研究分担者 |
森 昭胤 岡山大学, 医学部, 教授 (20028434)
福田 健夫 鹿児島大学, 医学部, 教授 (70038694)
君島 健次郎 鳥取大学, 医学部, 教授 (70031945)
福田 英臣 東京大学, 薬学部, 教授 (50080172)
山田 淳三 京都大学, 医学部, 教授 (90025651)
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研究概要 |
高折と山田は外的刺激なしに欠神様発作と強直性けいれんをおこす自然発症てんかんラットを作製し, 遺伝的背景を均一化させるため兄妹交配を進め, 現在F10代に達した. これらの動物において標識遺伝子の38種類の座について遺伝子を確定した. さらに, 欠神様発作はトリメタジオンとエトサクシミドによって抑制され, フェニトインは強直性けいれんをおさえること フェノバルビタールとバルプロ酸は両方の発作を抑制することを見出した. 立石は自然発症てんかんラットの中枢神経の病変として, 空胞, 海綿状変化, 髄鞘低形成, 脳室拡大を認めるが, 神経細胞はほぼ正常に残存することを明らかにし, これらの変化は基底核, 視床, 脳幹, 脊髄灰白質, 大脳皮質に認められた. 佐藤は燃え上がり現象は複雑部分発作の二次性全般化モデルであり, 発作段階, 後発射持続時間, 全般化潜時および全般化発作持続時間の4つの指標に対する抑制効果が大切であり, 特にプロガビトとクロバザムについて研究した. 福田英臣は抗てんかん薬であるバルプロ酸の脊髄反射に対する作用を検討し, バルプロ酸は単シナプス反射を抑制するが, テタヌス刺激後増強を抑制しないことを示した. 君島はペンチレンテトラゾールによる燃え上がり現象形成にはモノアミン類は関与しないこと, フェノバルビタール, バルプロ酸, エトサクシミドが強い抑制を示すことを明らかにした. 福田健夫は最大電撃けいれんの指標のうち, 強直性伸展と強直性屈曲の比が抗てんかん薬の脳内濃度と高い相関をもつことを示した. 森はElマウスにWPACAを投与してその抗けいれん作用を検討し, 大脳グルタミン酸が有意に減少していること, ジアゼパム, γービニルGABA, プロガビトに強い抗けいれん作用のあることを示した. 鈴木はElマウスのけいれん発作の発射が最初におこるのは頭頂皮質であり, 海馬の発作発射は最後まで残ることを明らかにした.
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