研究課題/領域番号 |
62301023
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
長谷川 善計 神戸大学, 文学部, 教授 (50030507)
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研究分担者 |
横田 冬彦 神戸大学, 文学部, 助教授 (70166883)
藤井 勝 名古屋大学, 教養部, 講師 (20165343)
北原 淳 神戸大学, 文学部, 教授 (30107916)
竹内 隆夫 金城学院大学, 文学部, 助教授 (40105747)
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キーワード | 親族論 / 日本家族史 / 大家族制度 / 従属農民 / 家 / 同族団 / 村落共同体 |
研究概要 |
1.本研究は、我々が昭和47年以来、長野県佐久地方の小海町本間、佐久市常和および今回新しく調査を行った佐久市今井での実証研究を通して、近世初期から現在に至る日本の家・同族団・村落の史的変遷を総括しようとするものである。そのため、次のような作業を行った。 (1)佐久市今井の雫田寛治氏所蔵の近世史料の近世文書の複写を行い、その整理分析 (2)今井の全部の同族団について、文書史料と聴取調査とによって、各同族団の家系譜を明らかにし、そこにおける相続の形態・親族と非親族の関係・同族団内部の諸慣行・同族団内部の対立と分裂等の様態を分析した。 (3)日本家族史の観点から、近世初期の大家族構成、従属身分制度、親族と非親族の関係、村落と家との関係、人別帳と宗門帳との比較検討、近世以後の従属身分制の解体と家・同族団・村落の変化 2.以上の実証研究を補莞するために、長野県史・近世史料編に収録されている史料を、項目的に編成しなおし、我々の得た史料の一般性と特殊性を検討し、より広い視野からその史的変遷を検討した。 3.従来行ってきた本間村や常和の史資料のうち、未整理のものを、新たな視点から整理し直し、その比較検討を行った。 4.上のような実証研究のうえにたって、従来の社会学における家・同族団・村落の理論について抜本的な再編成を行う必要があるとの結論に達した。その基本的問題点は、以下の諸点である。 (1)日本の家は株的存在であり、それと親族関係との相互関連を分析すること。 (2)親族と非親族の差異的関係を明確にすること。 (3)家の観念の混乱-とくに家と身分との関係。 (4)近世初期的な同族類型と近世中期以降の同族類型を明確に類別すること。
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