研究概要 |
この学術調査研究は, 20名の研究者と2名の研究協力者によって3年計画でなされている. 本年は第一年次である. 研究組織の構成は, 全体,5つの班,22名の個人の日常的活動の三次元である. 全体会合(研究会,研究連絡,情報や資料交換)は4回現地広島で1〜2泊の宿泊研修の形で行った(7・9・11・3月). 各回で現地の行政やテーマ別ベテランの講義をいただいた(1回目市福祉部長,2回目県警防犯課長,3回目広大教授,4回目広島修道大教授). 班会議は, そのさいまたは任意になされた. 各個人は, 職務との兼ね合いの下, 一年間精勵している. 現地調査のための広島入りは, 東京〜鹿児島に分布するメンバー, 最低2回, 最高6回を数えるが, 広島在住のメンバーは, 任意無際限の回数である. 調査は, 資料収集(文献,冊子等),ききとり,アンケート,踏査・巡検,会合等多くの手法を用いた. そして,その成果の分析・考察・総合等による理論体系化に向うが, まだ1年目なので明白な形には至らない. 3年目には, 学術調査報告書出版の予定であるが, 現在連絡があったのは今年度学会発表3, 来年度論文発表予定3である. 月究会での発表は無数である. 5つの班(基礎構造研究班, 問題行動研究班, 家族問題研究班, 教育問題研究班, 地域問題研究班)は, それぞれに1年間で, 手がかりをつけ, 基礎資料を入手し, 2年目への路線を敷き終えた, という所である. ともかく, 対象にとった地域社会が, 世界史的な崩かい(被爆), 戦後の立直りの甚だしく遅れた地域社会(社会病理の累積), しかしその後の復興・建設・成長・繁栄の顕著な目ざましさ(政令都市とその将来展望)ーといった劇的なプロセスを持ち, この研究調査が, 社会科学的に極めて重要な意義を持つことを, 研究者全員が各自の問題意識の基底において, 1年間精勵した.
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