研究課題/領域番号 |
62301030
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
竹田 正直 北海道大学, 教育学部, 教授 (80000636)
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研究分担者 |
桑原 清 北海道教育大学, 札幌分校, 講師 (00178154)
所 伸一 北海道大学, 教育学部, 助手 (50133682)
福田 誠治 都留文科大学, 文学部, 助教授 (30128631)
関 啓子 一橋大学, 社会学部, 助教授 (20107155)
池田 貞雄 和光大学, 人文学部, 教授 (20100399)
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キーワード | ロシア・ソビエト教育史 / ソビエトにおける教育改革 / ソビエトにおける児童観 / ソビエトにおける教育学論争 / ペレストロイカと教育改革 |
研究概要 |
1.ロシア十月革命以前の教育改革と児童観をめぐる論争を「神の法」及び道徳教育について、また、「自由教育論」論争にかかわってベンツェリの理論の学校共同体論的性格を解明した。 2.十月改革の前と後で、実際に、ロシア・ソビエトで児童・生徒として教育をうけた人びとからのききとり調査を行い、学校や教育の生きた実体の解明、とくに、「神の法」教科をめぐる革命前後の変遷において新しい知見を得た。 3.十月改革後の教育改革の中心課題であった義務教育実現のための学校普及過程の諸矛盾をサラトフの実態に促して析出し、また、学校における集団主義教育について学校自治論や児童自治論をめぐる論争を通して解明した。 4.児童観の変遷の基礎にある教育学論争と心理学論争についての解明を行った。すなわち、1920年代末から30年代初めにかけての教育学界の最大論争であった「移行期の教育学」や「学校死滅論」について、従来の「左右の日和見主義」批判を克服する解析を試み、また、心理学論争については、レオンチェフの所論の究明にもとづきつつ、ヴィゴッキーの内面化の理論と意志の問題を究明した。 5.現代の教育改革、とくに戦後の教育改革と今日のペレストロイカのもとでの教育改革を後期中等教育の総合と分化の矛盾から解析し、普通教育、職業教育、労働教育と児童観の関連が論交された。さらに、ペレストロイカのもとでの教育学、とくに教育史学の論争の萌芽が鋭く抑出された。 6.今後は、教育改革と児童観を媒介し、現実に顕現する「学校の再生」について、その管理・運営や教科教育、訓育過程に立入って、社会全体のペレストロイカとの関連において研究を発展させたい。
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