研究分担者 |
奥田 泰弘 中央大学, 文学部, 教授 (20060816)
吉田 寅 筑波大学, 歴史人類学系, 助教授 (40174940)
野口 鐡郎 筑波大学, 歴史人類学系, 教授 (20017726)
磯辺 武男 国士館大学, 文学部, 助教授 (80119065)
多賀 秋五郎 国士館大学, 文学部, 教授 (10054892)
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研究概要 |
従来発表してきた『現代アジア教育史研究』をはじめとする77篇の論及をもとに, アジア諸国教育史の歴史的流れをもととして, 歴史的影響がアジア諸国の教育の現状に, どのような特色を表明してきているか, そしてどのような問題を生どているかを検討し, 研究の焦点を明確にすることに本年度の研究の中心を置いた. このために研究分担者の分担課題と問題点とをまず提示したが, その結果, 日本の教育史的課題(多賀・吉岡・奥田・井原). 東アジア諸国の教育的課題(鈴木・笹島・山崎・鍾・吉田・伊原・片山・古垣). 東南アジア諸国の教育史的課題(弘中・光嶋・野口・磯辺)の三課題別構成が考えられた. このような分担課題をもとに, 研究分担者間の研究上の交流と, 問題の構造的・統一的把握のために, 研究分担者全員による研究討論総集会を62年9月20日・63年1月5日・2月7日の3回にわたり開催した. 第1回総集会では光嶋氏よりチベットにおける現地資料調査の結果をもとに報告を受け, 主として資料収集の方法論について討議を展開した. 第2回総会には広く分担者以外の東洋教育史研究者の参加を得, 鍾氏より中国・台湾の初等教科書の比較分析の報告を受け, アジア諸国の学校教育思想の分析方法について討議を展開した. 第3回総集会には弘中氏よりインド・タイにおける職業教育の現状の現地調査報告を受け, 主として現地調査と文献資料の比較方法論について討議を展開した. 以上の3回の研究集会を中心とした研究調査の討論を通じ, 本研究課題の究明には, 各国における歴史的な実態とその影響, 特にアジア諸国における発展途上国の場合には, 植民地時代に教育残渣の影響を無視することができず, またその影響の離脱の度合いの強い程, 現代における国家と教育との関係が鮮明化されてきており, この点の究明により, アジア教育史体系の体系化が可能となるとの結論を得た. なお成果として62年度研究調査報告を刊行した.
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