研究分担者 |
八重樫 純樹 国立歴史民俗博物館, 情報研究部, 助教授 (30006358)
山本 順人 筑波大学, 電子情報工学系, 助手 (30111090)
桜井 哲男 国立民族学博物館, 第5研究部, 助手 (90110080)
藤井 知昭 国立民族学博物館, 第4研究部, 教授 (70044740)
樋口 昭 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (60015287)
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研究概要 |
民謡の分類を通文化的に国際的な視野で検討する試みは, 世界的にもこれまで行なわれたことがなかったので, まずその検討から行なっている. 民謡の分類は, その民謡の担い手自身が考えている内なる分類と, 調査者や研究者が考える外なる分類があるが, その双方をそれぞれ明確に位置づけて検討する必要がある. すでに日本, 韓国, 西北タイの少数民族, ミクロネシア, ハンガリーなどの民謡分類を検討してみたが, 日本の場合すでに平安期から田歌, 棹歌など民謡を歌うときの仕事の性質によって分ける考え方があり, やはり民謡分類そのものがそれぞれの地域の文化の性格を反映していることが明らかになった. その意味では各民族の民謡を同じ原理,同じ方法で分類するのはひじように大きい問題があることがわかった. しかし一方,民謡をデーターベース化していく場合に情報検索に必要な項目と民謡分類は別の次元のものであって,必ずしも一致させる必要はないことも明らかになった. 情報検索には,民謡に内在するさまざまな属性のうち,とりあえず有効と思われる属性を選んで分析してみることが必要ではないか. とくに今考えられる問題としては,その民謡がいかなる機会, 場所で歌われるか, いかなる人,または人々によって歌われるか,どなな音楽的なスタイルで歌われるか,どんな歌詞で歌われるかなどがあげられよう. 今後はその属性値を実際にこまかく検討するとともに, さらに他の民族の民謡分類法を検討し, とりあえず日本の民謡をモデルに,民謡のデーターベース化に向けて検討を加えていきたい.
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