研究課題/領域番号 |
62301047
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
長瀬 守 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (50044805)
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研究分担者 |
櫻井 明久 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (80116160)
北原 龍二 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (20015390)
阿部 肇一 駒沢大学, 文学部, 教授 (70052412)
吉田 寅 立正大学, 文学部, 教授 (40174940)
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キーワード | 東アジア / 異文化接触 / 文化摩擦 |
研究概要 |
今年はその最終年度に当っているので、各班の計画における最終結論をまとめると同時に、昨年度から問題になっていた異文化接触における理論の検討、また中国内に展開された異文化接触の実態究明、中国周辺地域及び日本の異文化接触の具体的展開を究明し、次の成果をうるとともに今後に残された課題を検討した。 1.異文化接触では、tension関係、conflictの実態、involutionの性格とacculturationとのかかわりあいなどの問題を深化させることが重要である。 2.文化曲線という新しい構図をつくり、これによって今まで歴史上で解釈できなかった問題を、容易に解釈できるようにした。 3.台湾における同姓宗親会や新疆省設置における漠人コロニーの建設による祠廟の移入などの例にみられるように、生活文化の一部が移されて土着文化とconflictをおこすとき、そこにinvolutionの問題が深くかかわってくることが明らかとなった。 4.朝鮮半島に中国の禅宗、偏教、仏教が移入したとき、外来文化の有効性を摂取して朝鮮の文化変容をおこした。また、日本においても明治初年における外来医療文化の導入や三井家における外国経済システムの導入においても、外来文化を選択的・析喪的に摂取していることが明らかとなった。 5.中国にキリスト教が布教されたときも土着文化のinvolutionがおこっている。異文化接触を考えるとき、土着文化のinvolutionの問題が極めて重要であり、これとのかかわりで文化変容を究明することが今後に残された課題である。
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