研究分担者 |
日比野 丈夫 大手前女子大学, 教授 (00027509)
佐藤 圭四郎 竜谷大学, 文学部, 教授 (20004012)
松村 潤 日本大学, 文理学部, 教授 (90058660)
長沢 和俊 早稲田大学, 文学部, 教授 (60083333)
護 雅夫 日本大学, 文理学部, 教授 (70011252)
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研究概要 |
1.本年度の研究目的 中国周辺には, 多数の諸民族が歴史はじまって以来活躍興亡をくり返してきた. これらの諸民族の研究には, 二つの視点があり, 一つは諸民族が中国に侵入して立てた征服王朝論であり, 他の一つは諸民族それぞれの間の関係交渉史論である. 本研究は, この二つの視点の有機的な統合論を目ざすものである. そこで本年度は, 研究の初年度として, 従来からの諸研究を, 研究分担者のそれぞれの専攻分野から統合し, 整理することに努めた. その上にさらに各専攻分野における基本的史料の調査研究に着手した. ついで研究班全体の統一的知見の確立をはかることを目標とした. 2.本年度の研究経過 上述の目的に従って各研究分担者は, それぞれの専攻分野から従来の学説の整理をし, 新しい知見の確立に努めた. しかし, 何んといっても瑣細で断片的な史料が多く, これらを正確に読解し正しく利用することは容易なことではない. ことに諸民族固有の言語・文字例えばチベット語・蒙古語・満州語などで記された史料も少なくないので, これらの読解や取り扱いはこれまた容易な業ではない. 各研究分担者はそれぞれこの困難な作業をつづけた. このように本年度は, 基礎的研究に重点をおいて調査研究を推進した. 3.次年度以降の計画 本研究計画に直接関係する参考文献は, 単に国内の諸研究のみでなく, 海外の欧米はもとより, ソ連・中国・南北朝鮮など広く世界各地に及んでいるので, これらの研究文献を蒐集することのみでも容易ではない. しかし, 次年度以降この方面にも十分に留意して研究を推進し, 各種言語・文字により基本史料の読解と整理を一層進め, 各研究者間の緊密な連係のもとに全体的討論会を開催するなど研究班の統一的見解の確立を図りたい.
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