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1988 年度 実績報告書

ヨーロッパにおける家族の社会大的考察

研究課題

研究課題/領域番号 62301051
研究機関東京大学

研究代表者

伊藤 貞夫  東京大学, 文学部, 教授 (20011322)

研究分担者 新井 由紀夫  東京大学, 文学部, 助手 (30193056)
北村 暁夫  東京大学, 文学部, 助手 (00186264)
近藤 和彦  東京大学, 文学部, 助教授 (90011387)
樺山 紘一  東京大学, 文学部, 助教授 (30027544)
城戸 猛  東京大学, 文学部, 教授 (40011324)
キーワード家族 / 家産 / 家族論 / 女性 / 結婚
研究概要

最終年度であるため、各グループ・各人の研究を相互に比較検討しつつ、まとめを行った。
1.古代史グループでは伊藤が法制史上の論点を整理し、桜井が女性とりわけ妻の立場について焦点をあてた考察を行いそれによって反映された家族観にせまった。そして本村は、ローマ期の家族像の変換を扱った。
2.中世史グループでは城戸が法制面から、家産を中心とする家集団の成立をまとめ、樺山がカペー家という家産集団(国王家政)のもつ経営体としての多様性と特異性を指摘し、新井は、中小地主層の家系集団の行動原理とその実態にみられる差異との関係につき、結婚を視角としてさぐった。
3.近・現代史グループでは、家族集団の類型の問題について北村と永原が整理を行い、家族史と政治文の接点をさぐって、近藤と二宮と坂井がそれぞれに分析を行った。また現代家族像の変化を福井は指摘し、それらをとりあげる側の視点の変化と家族論の問題を北村は扱っている。
4.通時的にはとりわけイギリスを対象とし、家産集団の成立から、その下位集団である中小貴族への派及と変化、さらには近世の党派集団の問題までを通して議論することが可能となった。また全体における共通の問題として、女性(妻)、結婚といったキータームが、社会各層の家族像の差異や変化をさぐるのに有効な装置であることがあらためて確認された。時代・地域を通じて、家族集団が、社会の全体耕三の中で政治的にあるいは文化的にその一部としての役割を常に担っており、その役割内容の変化はヨーロッパ社会の展開・変化を常に必ず反映したものであるという点で、家族史研究は重要な意味をもつという事が再確認された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 伊藤貞夫: 史林. 71-5. 1-37 (1988)

  • [文献書誌] 桜井万里子: ギリシアとローマ所収. 247-273 (1988)

  • [文献書誌] 本村凌二: 歴史と文化(東大・教養・人文科学). 16. 68-116 (1988)

  • [文献書誌] 近藤和彦: 史学雑誌. 97-3. 41-77 (1988)

  • [文献書誌] 坂井榮八郎: 史学雑誌. 96-10. 97-103 (1987)

  • [文献書誌] 二宮宏之: 社会史研究. 8. 21-51 (1988)

  • [文献書誌] 伊藤貞夫 編(著): "ギリシアとローマ-古典古代の比較史的考察" 河出書房新社, 571(27-54) (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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