研究分担者 |
鳴島 史之 北見工業大学, 工学部, 講師 (20180549)
市川 真理子 文教大学, 情報学部, 助教授 (80142785)
加藤 行夫 筑波大学, 文芸言語学系, 助教授 (30092927)
小林 昌夫 筑波大学, 現代語現代文化学系, 助教授 (20106264)
鹿島 弘子 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (40014823)
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研究概要 |
1.研究分担者全員が参加する二度の研究集会と小規模の研究会を数度繰り返すことによって, シェイクスピアの初期版本のト書きcorpusから必要な情報を引き出すための条件の洗い出しを終了した. 2.コンピューターの専門家の指導を受けつつ, 上記の結果を具体化するためのプログラムを完成した. 3.その主要なものは, (1)William Shakespeare:The Complete Works ed.Stanley Wells&Gary Taylor(Oxford University Press,1986)のActーSceneーLineによって整理された同全集のSD(stage direction)と初期版本のSDとの作品ごとの対照表. 例えばHamletの場合, The Oxford ShakespeareとQ1,Q2,F1の相互の異同が, SDの脱落あるいは有無を含めて, 一目瞭然となり, 種々の分析のための基礎資料となる. SDの整理には, シェイクスピアのような現代標準版をもたない劇作家のテクストの整理の原理を考慮に入れて, The Oxford ShakespeareのOriginal-Spelling EditionのTLN(through-line-nembering)も併記してある. (2)SDに付された種々のindexes.例えばKIND-indexによって, テクスト, 作品, 作家ごとの, さらにエリザベス朝戯曲ト書きcorpusが完成したときにはエリザベス朝戯曲全体のSDを一挙に対象にした, entry,exit,action,sound,location,costume等のSDの分類された資料を引き出すことができ, それらもまた種々の分析のための基礎資料となる. 4.上記のプログラムに合わせて, F1(1623)までに出版されたシェイクスピアの戯曲QuartosとF1のSD,およびF1と異る場合のF2,F3,F4のSDを入力し, シェイクスピア戯曲初期版本のト書きcorpusを完成した.
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