研究課題/領域番号 |
62301057
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
松室 三郎 立教大学, 一般教育部, 教授 (20062466)
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研究分担者 |
兼子 正勝 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30169578)
竹内 信夫 東京大学, 教養学部, 助教授 (00107525)
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キーワード | マラルメ / フランス文学 / 象徴詩派 / 《ディヴァガシオン》 / テクスト批判 / テクスト処理 / プレ=オリジナル / テクスト・データベース |
研究概要 |
前年度に続いて『ディヴァガシオン』に関するプレ=オリジナル(主要初出稿)テクストのコンピュータ・ファイル化を実施、下記のものを入力した。即ち、(1)Notes sur le Theatre、(2)Textes du《National Obsever》、(3)Variations sur un Sujet、(4)散文詩、(5)Villiers de l'Isle-Adam、(6)《OVathek》序文、(7)Igitur。昨年度入力分の再々校正作業も含めて上記データ・ベースは既に完成しており、その公開については具体的方法を検討中であるが、現に国公私立大学数校よりデータ提供を求められている。 上記資料に基づく『ディヴァガシオン』批評版原稿の作製は現在進行中であるが略完成の域に達しつつあり、平成元年度中の刊行を目指して刊本及びデータ・ベース作製に関する研究成果公開促進費の申請を別途提出する所存である。 なお、マラルメは前世紀末より今世紀にかけての西欧文化情況の推移に関して最も明晢な洞察者であるとの評価が国内外で定着しつつあるが、その言語表現は精妙をきわめており、上記のマラルメ評価がより客観的且つ説得力ある裏づけを得るためには、彼が身を置いた時代の政治・社会・文化に亙る広汎な資料の収集が不可欠である。マラルメ自身のテクストと、そこに映し出されている社会事象を端的に証拠立てる資料とが互いに光を投じ合うことによって、マラルメ語解そのものも、前世紀末のより鮮明な時代認識も、両者相俟って精密化されることが期待される。我々が今年度に引続き、更に研究スタッフを増員して新たに平成元年度以降の総合研究を申請したのも、この理由に基づいてのことである。「マラルメ資料センター」としてのマラルメのテクストを中心に、同時代の生資料がデータとして集積されるならば、多くの研究者に益するところ大であろうと確信する。
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