研究分担者 |
岩佐 鉄男 多摩美術大学, 講師
持田 公子 東京造形大学, 助教授
小林 康夫 東京大学, 教養学部, 助教授 (60153623)
舟曳 建夫 東京大学, 教養学部, 助教授 (90165457)
横山 正 東京大学, 教養学部, 教授 (80012417)
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研究概要 |
研究組織に応じて, 本年度の研究実績を概括すると以下の通りである. 1, 西欧的空間構成 (1)現代美術における空間構成研究の一環として, マルセル・デュシャンの作品「大ガラス」の構成上の謎を,古典的透視図法の物語的な空間への応用として究明し, (2)その一部の透視図法的空間構成を, 世界ではじめてコンピューター・グラフィックスを用いて再現し, (3)そのコンピューター・グラフィックスの計算方法を開発しつつ, その原理を西欧の古典的な透視図法の歴史の中に位置付けた. ー以上の三点に関しては, 東京大学教養学部美術博物館において「マルセル・デュシャンと透視図法展」として発表, 展示された. 2, 非西欧的空間構成, この領域に関しては, (1)日本の近代美術における西欧的透視図法の影響についての研究が, 具体的には萬鉄五郎とキュビズムとの関係について研究されており, (2)また, 町並の透視図法の研究が来年度の展覧会形式による発表を目標に進められている. 3, 共通領域 (1)庭園と文学との相関関係について, 日本の庭園と連歌, イギリス式庭園とゲーテの小説(『親和力』)を中心にして対照研究が行なわれた. (2)また, 京都周辺の庭園の空間構成についての調査が行なわれた. (3)劇場空間について, イタリアのテアトロ・オリムピコとその後世の影響についての詳しい知見が得られた.
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