研究課題
(1)本年度も、前年度に引き続き、定期的な事務局会議における計画に基づき、共同研究の実質を確保すると共に全体的な研究水準を高めることに意を尽くした。具体的には、研究会「通信」を発行し、各研究分担者間の連絡調整を行うと共に、研究報告の要旨を掲載して認識の共有に努めた。(2)各研究分担者は、分担したテーマについて個々に研究を継続しているが、各自の研究成果を報告し共同討議を行うため、7月と12月に、全研究分担者が参加する合宿研究会を行った。(3)合宿研究会では、各研究分担者が共同あるいは単独で研究の成果を報告し、討論がなされた。今年度報告がなされたテーマは、次のとおりである。<1>上告審における事実誤認、<2>英米法における事実誤認の救済、<3>自由心証主義と控訴、<4>控訴審の構造、<5>証拠開示、<6>軽微犯罪の誤判とその救済。(4)研究分担者およびそれ以外の者の協力を得て詳細な事例研究を行った。本年度取りあげた事件は、<1>牟礼事件<2>狭山事件、<3>大森勧銀事件、<4>貝塚事件、<5>島田事件である。(5)5月の日本刑法学会において共同研究「刑事裁判における事実認定の諸問題」が、本研究分担者を主要な報告者として行われ、その成果は刑法雑誌29巻3号に掲載されている。(6)次年度中に本総合研究の成果をまとめるべく、事務局を中心に全体の構想を立て、研究分担者の了解を得て各担当項目を決定した。以上、概ね当初の研究計画どおり本年度の研究活動を実施することができた。
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