研究課題
研究会は8回隗祭した。第1回研究会では五十嵐武士が日本のODAを比較検討し、とくにアメリカが日本のODAにどのような関心をもっているかについて報告した。第2回研究会では細谷千博・宮里政玄・長尾悟が「日米欧の経済摩擦をめぐる政治過程」について報告し、1985年の自動車摩擦、半導体摩擦、農産物摩擦の事例について解説するとともに、日米摩擦が米欧、日欧関係とどのように連動するかについて分析した。第3回研究会では入江昭がアメリカ外交における文化的側面の研究情況について紹介するとともに、国際関係において時代により軍事、経済、文化の重要性が異なるが、90年代は文化の力が重要になるとの見解を示した。第4回研究会では、野上義二氏(外務省)を招き、日米関係の実務の担当者としての話を聞いた。野上氏は88年のブッシュ当選にはよい家庭人としてのブッシュ夫妻のイメ-ジが大きな効果があったことを指摘し、アメリカの中流階級における穏やかな保安主義を強調した。アメリカにとって取組むべき問題が多いにも拘らず、50年代のような現状維持気分が強く、無為のブッシュ政権に対する支持が高い。議会を国内問題より取上げやすい問題として日本たたきに走る傾向があることを指摘した。第5回研究会では渡辺昭夫が戦後日米関係史、太平洋国際関係史の研究を解説し、アメリカのアジア政策についての最近の解釈を論評した。第6回研究会では細谷千博が「EC92年統合と日米関係」について報告し、日米のEC統合についての関心の相違とを説明するとともに、太平洋地域主義の可能性についても言及した。第7回研究会では有賀貞がアメリカのエスニック集団について、とくにヒスパニックを中心に報告した。第8回の研究会では各メンバ-が研究情況について報告し最終的な研究報告のまとめ方、刊行の問題等について協議し、9月を目途に刊行物としての原稿を完成させることに合意した。
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