研究分担者 |
村上 信一郎 中部大学, 国際関係学部, 助教授 (10305675)
吉森 義紀 神戸外国語大学, 外国学研究所, 助教授
水漉 征矢雄 大阪音楽大学, 音楽学部, 教授 (40089488)
土倉 莞爾 関西大学, 法学部, 教授 (00067703)
西川 知一 姫路独協大学, 法学部, 教授 (00030601)
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研究概要 |
これまでの研究会,談話会,積極的な資料交換等を通して,比較政治学の分野での,今日までの央党派閥研究の動向が,あらまし把握できたが,それらを通して改めて確認できたことは,まず第一に政党派閥の構造と機能のパタンを一党優立政党システム,クライエンテリズムとの関連で考察することの重要性についての認識を新たにするとともに,かかる相互連関についての研究の理論的立ち遅れのみならず,派閥それ自体に関する理論的概念化の遅れが決定的であることを痛感するに至った. そうした遅れを克服するためにも,社会学的な理論レベルまでおりたった根本的な概念規定の必要性を参加者一同は強く感じるに至った. また,そのためにも,政党の下位単位としての政党派閥のみならず,政治派閥そのものの検討が必須の作業であるとの認識を共有することができた. 第二に特筆すべきは,従来日本の研究者が,政党派閥という視点からあまり取り上げてこなかった欧米の諸政党にみられる派閥現象の実態がいくつかの報告で明らかにされた. しかしながら,一方で日本の事例研究の比較照軸をなすこうした海外の事例についても,日本の場合以上に経験的な実証データは驚くほど乏しく,この点についても何らかの形での現地調査が必要となるものと思われる. 以上のような知的現況をふまえて,昭和63年4月以降は,各研究者は,本研究が収集した全文献・資料にも積極的にあたり,できる限り幅広い共通の土俵の上で,自己以外の研究分担者との知見の交換を行い,各研究者が,自己の研究課題の一層の深化を計ることはもとより, 各個別専門領域の壁を相互に打ち破り,新しい総合的な「政党派閥の比較政治学的研究」のフロンティフを開拓することを企図する.
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