研究課題/領域番号 |
62301069
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
河田 潤一 甲南大学, 法学部, 教授 (00104729)
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研究分担者 |
村上 信一郎 中部大学, 国際関係学部, 助教授 (10305675)
吉森 義紀 神戸外国語大学, 外国学研究所, 助教授 (80105379)
水灑 征矢雄 大阪音楽大学, 音楽学部, 教授 (40089488)
土倉 莞爾 関西大学, 法学部, 教授 (00067703)
西川 知一 姫路独協大学, 法学部, 教授 (00030601)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 一党優位政党システム / クライエンテリズム / 自民党 / 日本社会党 / 政党 / 党内民主主義 / パトロネージ / 派閥 |
研究概要 |
政党派閥は、日本政治を分析する場合には、無視することのできない重要な要素と考えられてきたが、政党派閥の性質、構造やその政治的機能については、ほとんど体系的には研究されてこなかった。この理由は、政党派閥のみならず派閥現象自体が前近代的な社会構造の反映であるとみなされてきたこと、および英米型の「競争的な」二大政党システムの観点に立って派閥政治が、政党システムの「病理現象」と考えられてきたことなどに求められるであろう。しかし、非西欧世界の政党政治に関する知見が増大し、西欧においても英米型以外のデモクラシー・モデルが唱えられる現在、政党派閥に関してこれまで客観的な研究を阻止してきた条件は薄らぎつつある。こうしたなか、本共同研究は、いくつかの国の事例研究の整理・比較や、社会学および文化人数学を中心とする隣接諸科学の理論成果の応用を試み、政党派閥の比較可能な概念化と、その構造に関するできうる限り一般化の可能な理論構造を目指そうとした。より具体的にいえば、本研究は、政党派閥を従来のように政党システムの従禹変数として捉えるのではなく、政治過程における重要な独立変数と捉え、それを比較政治学的に研究することを目指し、このため政党派閥の構造や機能を分析する前提としている。その形成過程における歴史的要因や社会構造的要因を重視し、それに関する実証的なデータを最大限収集して比較することに務め、実証データに基づく概念の操作化を目指そうとした。その一方で、一党優位政党システム、クライエンテリズムとの関連を理論的に究明するすることにより、政党派閥の構造と機能のパタンの析出を目指した。また、各研究分担者が、各々の分担領域で得た知見及び上記の過程を経て構築した理論仮説を検証する共通の場として、日本の政党システムと政治過程が設定され、比較研究の成果が応用された。諸論稿に対する大方の御批判を仰げれば幸いである。
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