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1987 年度 実績報告書

幕末開港への畿内農村の対応ー綿業から茶業へー

研究課題

研究課題/領域番号 62301075
研究機関東京大学

研究代表者

石井 寛治  東京大学, 経済学部, 教授 (20012122)

研究分担者 菅野 則子  一橋大学, 経済学部, 助手 (10017535)
久留島 浩  千葉大学, 教育学部, 講師 (30161772)
菅原 憲二  愛媛大学, 法文学部, 助教授 (00162850)
林 玲子  流通経済大学, 経済学部, 教授 (90094987)
大口 勇次郎  お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (00017112)
キーワード村落構造 / 幕藩制 / 身分制度 / 大庄屋 / 綿業 / 茶業 / 幕末開港 / 製茶輸出
研究概要

1 月例研究会では,各自の分担テーマについて順次報告し,討論を行った. 当該地域の村落構造については,中世末期以来の伝統に基づく複雑な交錯状態が保たれており,近世村落を特徴づける杖切りの事実はみられないことが判明した. また,末端支配の担い手たる大庄屋になる浅田家は,もともと外来者であったのが 急速な致富過程をへて,先住者の上位に立つのであるが,その上昇経過も少しずつ判明している. とくに当該地域が,京都や大坂とだけでなく,江戸ともかなり交流があり 浅田家は江戸へ出店するなどの盛んな商人活動も行ない,その利益が土地へ投下されたことが注目される. 近世初期の高率な綿作地率は,予想していたよりもずっと後年まで持続するようであるが 同時に菜種作がしだいに行われ,また茶業も量的には限られつつもかなり早くから行われており,近世を通ずる作付転換な単純ではないことが判明しつつある. 茶業の発展の画期はやはり幕末の開港であるが,当該地域はむしろ製茶の集散地として大きく伸びてゆき,神戸港の製茶輸出の最大の後方集散地となってゆく点が注目される. 綿業商人から茶業商人への転換例や,浅田家による彼らへの金融の事実,木津川舟運を利用しての商品輸送など,山城町が商業村落化してゆく経過を示す史料を分析中である.
2 史料調査は,山城町史婦さん室をはじめ,数回実施した. とくに図室所蔵の基本史料である宗門人別帳については,夏期調査にさいして全冊の分担筆写を試み,完了することができた. 目下その分析が進められつつある. また 撮影を許可された文書等は マイクロフィルムに撮影し,その一部を焼付けた.
3 東京大学経済学部図書館文書室所蔵の浅田家文書整理も着実に進んだ. 一紙物の判読・整理は大部分終了し,目下その分類整理にとりかかったところである.

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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