研究分担者 |
大矢 繁夫 西南学院大学, 商学部, 助教授 (40125513)
佐藤 秀夫 岩手大学, 人文社会学部, 助教授 (40133897)
浜田 康行 北海道大学, 経済学部, 助教授 (80156405)
佐々木 隆生 北海道大学, 経済学部, 助教授 (70091692)
田中 素香 東北大学, 経済学部, 教授 (20094708)
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研究概要 |
1.研究代表者は「世界経済論」(有斐閣,1988年4月刊)を出版し,その中でこの研究グループの世界経済研究の基礎的理論を示した. 2.金融研究グループは,先進資本主義国内部の国際金融の変貌を多面的に追求・解明することを計画目標とした. この中で,浜田は中小企業を対象として世界的に急速に発展した株式市場に関して6ヵ国の実情を調査して著書にまとめ,東洋経済新報社から発行する(5月刊行予定). 大矢は,ユーロ・カレンシー市場,ユーロバンクの活動を研究し,米銀・欧銀の発展を追求した. とりわけ本ー支店関係が銀行の貸付能力を大きくすることから,米銀,西ドイツ銀行の優位を捉えた. また米銀のLDC貸付からの撤退・EC銀行のEC規模での統一化傾向に新たな動向を見出し,昭和64年度の研究〓の接点とする. 前原は,アメリカの金融政策の新発展(80年代初)をとりまとめつつある. 3.佐々木,田中は先進資本主義の通貨体制・政策の協調・ECの新動向を中心に研究した. 佐々木はブレトン・ウッズ体制の解釈に新たな視座を提出した. 田中は,1980年代のEC経済の低成長の特徴をとりまとめ,そこから域内市場完成計画の必然性とその内容を研究した. 4.佐藤はMNCの在外付加価値生産の規模を各国GDPと比較することによって現代世界経済に占めるMNCの位置を確定しようと試みた. アメリカ系MNCの在外生産比率(それらの国のGDP比)は70年代と比べて80年代に後退し,非アメリカMNCの在米生産の割合は上昇している. 5.発展途上国については,石上がインド工業化を,インフラストラクチュア及び鉄鋼業について研究し,NICsと対照的なインド型重工業化戦略が結果としてハイコスト経済に帰結しているという特徴を明らかにした.
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