研究課題/領域番号 |
62301079
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
原澤 芳太郎 東北大学, 経済学部, 教授 (70004190)
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研究分担者 |
高橋 伸夫 東北大学, 経済学部, 助教授 (30171507)
藤田 稔 山形大学, 人文学部, 助教授 (30165394)
大滝 精一 東北大学, 経済学部, 助教授 (20138556)
河野 正三 東北大学, 経済学部, 教授 (70111333)
加藤 勝康 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (10004194)
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キーワード | 意識変革 / 賃金制度 / 教育訓練制度 / 職能資格制度 / NTT分割 / 公共性 / 沖縄支社 / NCC |
研究概要 |
本年度の研究は、従業員の意識変革を中心にした調査を行うとともに、これまでの調査の補完・整理を行った。なお、NTT分割論議が、盛んとなっていることもあって、それに関する調査をも並行して行った。 1.従業員の意識変革については、賃金制度と教育訓練制度の二側面から調査した。前者については、職務分類制度に基づく職務給から職能資格制度の下での職能給への変更がみられ、個人能力と賃金がリンクされた。しかし、一般従業員については、昇給査定が労使交渉の中で見送られたために、職能給本来の刺激力を欠いたものとなっている。また、後者についても、大幅な変更がみられたが、職能資格制度とのリンクが、未だ十分なものとはなっていない。両者とも、整備された形になるのは、外部競争環境が、今後いかに設定されるかに依存するものと思われる。 2.NTT分割論議については、郵政省主導で行われたが、分割には各方面から消極論が相次いでいる。いずれにせよ、電気通信事業の今後の在り方が、未だ不透明の段階にあることを示している。いかなる見解を持ってしても、十分説得力のあるものとはなり得ていないのである。しかし、客体側とはいえ情報をいわば独占しているNTT自身が、明確なヴィジョンをもって、電気通信事業の在り方を訴えるべきであるように思われる。 3.支社レベルでの調査対象として、収支状況の最悪な(昭和63年度、113億円赤字)沖縄支社を選んだ。赤字の理由の主たるものは、NCCが沖縄のメッセ-ジエリア間および本土間でのNTT伝送路に、タダ乗りをしていることにある。即ち、当該距離がゼロとみなされているからである。ここに、NTTの公共性と企業性との矛盾がみられ、NCCに極めて有利な競争環境の下での企業経営を余儀なくされていることの典型例が見出される。
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