研究課題/領域番号 |
62301081
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
小林 規威 慶應義塾大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (50051248)
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研究分担者 |
酒井 甫 浦和短期大学, 経営科, 教授 (30088108)
安室 憲一 神戸商科大学, 商経学部, 教授 (50128782)
江夏 健一 早稲田大学, 商学部, 教授 (90088097)
村山 元英 千葉大学, 法経学部, 教授 (60009511)
山本 登 創価大学, 経済学部, 教授 (30050818)
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キーワード | プロテスタンティズム / 資本主義 / NIES / イスラム / ヒンズー / 儒教 / 南方仏教 / 人本主義 |
研究概要 |
図書に関しては、和書・洋書とも計画時より20パーセントほど、金額にして多くを購入した。すべて順調に購入され、それぞれ有効に活用されている。本年度の研究実績は、当然のことながら初年度の基礎的研究の上に位置づけられる。プロテスタンティズムと資本主義発達との相関関係が、M.ウェーバーによって提言されているが、今日の日本は、その例外であるとの認識の確認作業が練り返えされた。台湾・韓国等NIESについても、こうした認識の拡大解釈が可能ではないかとの問題提起(村山元英)もあり、儒教との係わりで本研究の深化(江夏健一)が計られた。それは、「家」との関係で語られるとの報告(酒井甫)もあった。総体的なウェーバーの見直し(入江猪太郎)があり、これが所謂「宗教」を超える「制度」としての視点の主張(山城章)がされた。イスラム教と生産(首藤信彦)、南方仏教の生産の論理(有澤孝義)は、一年半にわたる綿密な研究成果として評価された。Max Weber Revisitedが宇佐見義尚によってされ、入江猪太郎との協働の実をあげ得た観がある。これは既述の山城章の見解に近いものであった。ヒンズー教の生成過程をその発展のストーリーに関連づけた報告(岡田仁孝)は、社会学的視点から宗教を眺める試論的意味を持った。アジアNIESの成長に関連する文化論的アジア論は、すぐれてその学問の深さを映し出す報告(山本登)であった。アメリカ的経営の文化的背景(對木隆英)および文化と人事管理(木下昭)の報告は、共に地道な研究成果である。人間中心主義を、儒教を背景とした人本主義とする報告(西田耕三)は、十分に萠芽的研究の意味をもつのであった。ヨーロッパの文化論(藤枝省人)、交渉のプロセスと文化論(青井倫一)等、本年度研究の棹尾を飾った。本年度の研究も総じて充実したものでった。常に全体に配意して、こうした研究を纒める作業は、もっぱら代表者小林規威の役割りであった。
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