研究課題/領域番号 |
62301081
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
小林 規威 慶應義塾大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (50051248)
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研究分担者 |
酒井 甫 浦和短期大学, 経営科, 教授 (30088108)
林 吉郎 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (70129196)
江夏 健一 早稲田大学, 商学部, 教授 (90088097)
村山 元英 千葉大学, 法経学部, 教授 (60009511)
山本 登 創価大学, 経済学部, 教授 (30050818)
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キーワード | 多国籍企業 / 国際文化変革 / 経営文化 / Max Weber / 近代化 / 資本主義 / 宗教 / 異文化インタ-フェイス |
研究概要 |
62年度・63年度の研究成果を踏まえてその延長上に研究を進展させながら、当該課題の研究目的と成果との間の整合性に留意して三年間に亙る本研究の取り纏めに注力した。研究目的の1つは、多国籍企業が国際文化変革の担い手として果す役割の重要性の見直しであり、今1つは、欧米を除いて日本のみが近代化・資本主義化を遂げた理由の探求であった。前者にあたっては、文化移転に係わる多国籍企業の影響が直接的で継続的であることの見直しである。後者については、文化として具象的に表あれるものの中に、その国民の価値や精神的・行動的態度があり、それらの大部分は宗教をmainspringとしていると思料するので、この点、Max Weberの著書「プロテスタンティ-ズムと資本主義の精神」を関説した。ウェ-バ-は、非西欧社会の非近代化・非資本主義化を後述する五大宗教との比較で解明したが、その中でも日本は唯一の例外とされている。M.Weberの宗教社会学以外にも日本のユニ-ク性を説明する理論として、Marion Levyの日中比較論、Robert N.Bellahの政治価値論、John W.Hallの封建制度論等があるが、これらは各自の研究に俟つこととした。本研究は次の6点から取り纏められる。(1)非西欧の日本に適応するウェ-バ-の類型概念の限界を明らかにする問題提起 (2)経営文化に関する研究の現状、異文化インタ-フェイス管理および文化的シナジ-の理論的・実証的研究 (3)儒教・大乗仏教・南方仏教・イスラム教・ヒンズ-教の教理における近代化阻止要因の検討など (4)日米欧の経営の特徴と類型の文化的研究 (5)特定demmensionの研究一人事管理・交渉のプロセスにおける文化的要因の研究 (6)実態調査である。これらの研究成果は、一両年中に冊子に纏められ公刊の運びとなるであろう。記述論と規範論の背景をなす文化論の、われわれにとっての困難さは言うまでもないが、全般の取り纏めは、研究代表者である小林規威が一貫してこれに当った。
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