研究概要 |
現在の電算機用プログラムの作成に際しては, 作成段階における効率化の検討が重要であり, またそのプログラムが目的に合致しかつ効率のよいものであることを合理的に保証する手段が必要である. このためには, プログラムに対する要求仕様に始まり, 作成, 保守に至るまでの全ての段階において, 理論的に裏付けられた厳密な方法が望まれ, 更に将来これらを自動化しようとすれば, 数理的に系統化された理論の研究とそれに基く処理系の開発が必須不可欠のものとなる. その総合的研究のために, 各研究分担者は, 基礎数理, 応用教理, プログラミングの3部門に大別されるそれぞれのプログラムの諸問題に関して, 基礎となる理論の構築, 理論に基くプログラム開発方式の研究, 実際の応用プログラムの開発を行なった. 特に設備として, マッキントッシュSEを購入し, 主に基礎となる理論の研究に用いた. 主要な研究課題としてν変換関係の応用数理的な面を追及し, 仕様記述言語としての表現を研究し, 同時に従来のν変換インタプリタの拡張充実を図った. またプログラムの開発方式の理論的な根処を与える代数学ならびに論理学の基礎を追及した. 高度の知的情報処理の構造を研究し, そのプログラムの強化を図った. 12月に京都大学数理解析研究所において開催された研究集会において, 基礎数理関係ではlattice model for execution histories of concurrent Ada programs,Relational calculus and weakest liberal preconditions in Toposes等, プログラム自動合成系の実験例として, Smalltalk80システムのLPS合成, 画面処理系GMW等に関して, 研究発表, 意見交換を行なった.
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