研究分担者 |
樋口 保成 神戸大学, 理学部, 助教授 (60112075)
内山 耕平 広島大学, 理学部, 助教授 (00117566)
高橋 陽一郎 東京大学, 教養学部, 助教授 (20033889)
福島 正俊 大阪大学, 教養部, 教授 (90015503)
渡辺 壽夫 九州大学, 工学部, 教授 (40037677)
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研究概要 |
1.本研究に関連する研究成果の交流と発展をはかるために下記の通り課題ごとの研究集会を6回開催し, 総合的な集会を1回行った. (1)総合的なものは「確率過程論と関連領域」と題し神戸大学理学部で渡辺,中尾,樋口の分担者が中心になり行われ, 確率論全般にわたる研究成果が報告された. 特にOnsager-Machlup関数に関連する漸近評価の確率解析を用いる純確率論的証明,マルコフ過程の境界問題,測地流より導かれるランダムカレントについての中心極限定理, 拡散過程と複素解析の関連等について注目すベき成果の報告が行われた. (2)ディリクレ空間の基礎理論,マルチンゲールに関連する諸問題,エルゴード理論,相転移の統計力学と確率論,ランダム媒質に関連する問題,ノンスタンダード解析と確率論についてそれぞれ研究集会を行った. 特にディリクレ空間については確率過程論や関連分野における近年の研究を系統的に検討し, 今後の展望についての討議を行った. またいくつかの数理物理についての研究集会には物理学者や関連する解析の研究者の参加を得て, 考えられる研究課題の数学的定式化や将来の展望を中心に討議を行った. これらの研究集会には若手研究者や大学院学生も相当数参加し討議の内容を深めることに積極的に貢献した. エルゴード理論についての研究集会にはM.S.Keane教授の参加を得て国際的な研究成果との交流が行われた. 2.本研究の分担者および関連の研究者の数名かが外国で開催された国際会議に出席し本研究の成果と国際的な研究成果との交流を行う機会があった. その結果1988年度の本研究の計画に有意義な情報が数多く得られた. たとえばフラクタル上の拡散過程やMalliavin解析の応用についての研究を一層強力に進める方針である. また今後は正規過程や極限定理についての研究の発展のための企画も行う予定である.
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