研究課題/領域番号 |
62302006
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
池田 信行 大阪大学, 理学部, 教授 (00028078)
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研究分担者 |
舟木 直久 名古屋大学, 理学部, 助教授 (60112174)
楠岡 成雄 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (00114463)
渡辺 壽夫 九州大学, 工学部, 教授 (40037677)
福島 正俊 大阪大学, 教養部, 教授 (90015503)
高橋 陽一郎 東京大学, 教養学部, 教授 (20033889)
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キーワード | 確率過程 / 拡散過程 / 正規過程 / 時系列 / 確率解析 / エルゴード理論 / フラクタル / 数理物理 |
研究概要 |
本年度も昨年に引続き、数理物理や数理生物と確率論が深くかかわりあう課題に研究の重点をおいた。その中でも特に、流体力学極限の問題やフラクタル上の確率過程の研究を積極的に行った。例えばGinzburg-Landau連続場モデルについての流体力学極限の問題や、Sierpinski gasket上のLaplace作用素の固有値問題の研究等で大きな成果が得られた。これらをはじめ多くの研究成果が関連する研究集会で発表され、研究交流が行われた。また確率解析の分野ではループ空間上の拡散過程や確率論的方法による漸近問題について多くの研究が行われた。またそれらの成果と幾何学の問題の関連が解明され、本研究の関連する研究集会で発表され注目をあびた。また本年は時系列の問題や正規過程についての研究集会を開催し多面的な検討を行った。確率最適制御や非新型フィルタリングの問題については研究集会で系統的かつ総合的な検討を行うとともに、偏微分方程式論的方法や関数解析的立場からの研究との交流を行いその発展をはかった。さらに研究計画で述べたエルゴード理論の研究については、多くの関連分野の研究者の協力の下に、Furstenberg等により積極的に研究されている多重回帰定理についての話題を中心とした研究集会を開催し研究成果の交流を行った。これら個々の研究課題別の研究成果の交流ではなく、確率過程論全般にわたる大規模な研究集会を昨年に続き行った。現在確率論の研究にとっては数理統計学、数理物理や数理生物、ならびに微分幾何学や解析学の研究成果との交流が不可欠になっているが、本研究集会はそれらの実現を目標にするもので、その立場から注目すべき発表が行われた。またまとめのために開催した研究集会では偏微分方程式の解の爆発問題と分枝過程の関係や、Wiener空間上のStationary Phaseの方法についての検討が行われ、それらの研究を一層発展させることの重要性についての指摘があった。
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