研究課題/領域番号 |
62302008
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高窪 啓弥 東北大学, 理学部, 教授 (90004241)
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研究分担者 |
福井 康雄 名古屋大学, 理学部, 助教授 (30135298)
土佐 誠 東北大学, 理学部, 助教授 (50022728)
小暮 智一 京都大学, 理学部, 教授 (50025318)
河鰭 公昭 名古屋大学, 理学部, 教授 (60022513)
竹内 峯 東北大学, 理学部, 教授 (80004323)
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キーワード | 短ミリ波天体望遠鏡 / 短ミリ波帯SIS受信機 / 分子流天体 / 赤外線源天体 / 原始星 / 銀河系内分子雲 / マゼラン雲 |
研究概要 |
1.名古屋大学理学部4メートル短ミリ波望遠鏡に搭載する4K冷却のSIS受信機の整備は予定より遅れたが完成し、従来の15Kショットキ受信機に比べて4〜5倍の性能を示しており、C^<18>Oの輝線の観測が可能になった。この結果、星形成の初期にある、濃い暗黒雲中の高密度コアの検出が容易となった。 2.この装置を用いて、オリオン座領域、いっかくじゅう座領域、ケフェウス座領域の広域観測を行った。 3.新しく、S287分子雲がオリオン座南部巨大分子雲に匹敵する巨大分子雲であることが明らかになった。この分子雲は太陽系から1.4KPCの距離にあるが、これはオリオン座南部巨大分子雲に次ぐ近距離にあり、星形成について多くの観測結果を得ることが期待される。この巨大分子雲は、その中にある赤外線天体の明るさから大質量・中質量の星が生成される領域であることが示唆されている。 4.短ミリ波天体と密接な関係をもつと思われるハービッグ・ハロー天体、星生成領域に見られる輝線天体について、小倉、小暮等が可視光領域において探査を行い、その結果が明らかにされた。 5.2月上旬、仙台市斎藤報恩会自然史博物館において、「サーベイ(広域観測)に基づく星形成初期の研究会」を開き、星形成初期についての理論の到達点、観測の結果について報告を受け、討論を行った。赤外線領域の観測も含めて、未知の部分の大きい星形成初期の天体の諸相を具体的に捉える必要性が痛感された。また、マゼラン雲は、銀河系と異なった星形成の過程をたどりつつあるという指摘があり、これを星形成期の観測に適している短ミリ波領域で観測することの重要性が指摘された。
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