研究課題
総合研究(A)
本研究は昭和62、63年の2年間にわたって、衝突型加速器を想定しての大型検出器及びそれに関連する基礎開発研究を組織的に行ったものである。現在、高エネルギー物理学研究所トリスタン加速器による研究が、大規模に進行中であるが、トリスタン以後の素粒子物理として、SSC加速器および、線型加速器による物理、非加速器物理又、高エネルギー物理学研究所におけるB粒子物理の計画が議論されており、全国の研究機関で、次期大型検出器を目指して開発研究が続けられている。このような、情況を踏まえ、本研究においては、全国的に広く研究分担者を集い、各地の研究者間の連携をとりながら検出器の開発研究の推進が行なわれた。又、年一度の研究会を計画し、第1回研究会を昭和63年1月14日仙台で開催し、広く、物理テーマの検討及び、検出器構成部の議論を行った。その結果、高エネルギー物理学研究所におけるB粒子物理のための検出器がもっとも身近で具体的なものの一つと考えられた第2回研究会は、昭和63年11月15日、16日に仙台で開催され、検出器開発の世界の情況、SSC加速器のための検出器案及び新しいカウンターの開発研究が紹介され、又、各機関における検出器の開発研究の進行状況の確認を行った。本研究を通じて、室温液体カロリーメーター検出器、シンチレーション・ファイバー検出器、チェレンコフ・リング像による粒子識別検出器等の新しい開発研究が推進されたことは、大きな成果であった。又、B粒子物理のための大型検出器案が高エネルギー物理学研究所への実験提案書としてまとめられた事は本研究の目的の一つを達成したものである。検出器の開発研究は本研究で閉じるものではなく、本研究を基礎に、次の新しい開発研究が発展することが期待される。
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