研究分担者 |
坂田 通徳 甲南大学, 理学部, 助教授 (60068111)
須田 英博 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (30011555)
湯田 利典 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (60092368)
高原 文郎 東京大学, 東京天文台, 助手 (20154891)
寺沢 敏夫 京都大学, 理学部, 助教授 (30134662)
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研究概要 |
宇宙線の起源について, 理論的な最有力候補は超新星爆発である. しかしその超新星による宇宙線加速の詳細に関しては未だ定説はないのが現状である. ところが, 昨年2月23日に大マゼラン星雲で起った超新星爆発は, 我々の近傍で起った超新星爆発としては300年来の滅多にない好機であり, この機会に超新星に伴う宇宙線の加速の研究を実験的にも理論的にも行っておきたいという期待が生じた. そこで,この一年間は,超新星に関する研究に重点を置き, そのための研究会を, 第一回目を昭和62年7月27, 28日に,第二回目を昭和63年2月12, 13日に,第三回目を昭和63年2月19, 20日に行った. 研究会の報告集は近く出版される予定である. パルサーによる粒子加速に関する実験的研究は, この一年に進歩があり, 神岡地下実験所では,パルサーから来る高エネルギーニュートリノの探索を行い, ニュージーランドでは, 日本とニュージーランドの共同研究として, パルサーから来るガンマ線の探索を行った. 両方とも, 上限を得たのみであったが, 良い機会をとらえての貴重なデータを世界で初めて提供し, 研究会では理論との比較がされた. 宇宙線の組成については,いわゆるKNEE付近での組成について,山上エマルジョンチェンバーの実験で(富士山,中国のカンパラ山), 陽子が少い可能性が強く示唆されている. それについての検討がまとめられ, 研究会でも検討された. その他, 彗星の近傍に於ける粒子加速についての興味ある模型が提案され人工衛星のデータとの比較が行われた.
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