研究課題/領域番号 |
62302013
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
池上 栄胤 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (00016031)
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研究分担者 |
鈴木 徹 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (20175409)
中井 浩二 高エネルギー物理学研究所, 教授 (40028155)
山崎 敏光 東京大学, 原子核研究所, 教授 (80011500)
小林 晨作 京都大学, 理学部, 教授 (80013465)
森信 俊平 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (50016078)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | 中間エネルギ-核反応 / 高励起状態核構造 / 高分解能粒子スペクトログラフ / リングサイクロトロン / 超高エネルギ-放射光発生 |
研究概要 |
共同利用研究所である大阪大学核物理研究センタ-の新しい加速器計画として「サイクロトロン・カスケ-ド計画」が進められつつある。この計画では6セクタ-のリング・サイクロトロンを建設し、中間エネルギ-領域での精密核物理学を開拓・発展させることを目的としている。この事業の具体的建設を全国的視野のもとで進め、かつ新施設で明らかにされるべき核物理学の目標を検討するのが本研究の課題であった。 現在すでにサイクロトロン本体の搬入・据え付けが行われており、初めての粒子加速に向けて準備が着実に進行している。この加速器によって、陽子で最高エネルギ-400MeV、Ar原子核程度までの軽重イオンで核子当り100MeV程度の加速が考えられており、高いエネルギ-分解能を持つ高性能のビ-ムが得られると期待される。 また、測定器の検討も具体的につめられており、運動量分解能40000を現実のものとする高分解能スペクトログラフ(大ライデン)、飛行時間法による中性子測定装置、入射核破砕反応を用いた不安定核測定コ-スの建設が進行しつつある。これらの装置を用いて、全方向偏極測定を可能とする測定器系なども既に設計を終えており、実験活動の開始を期して待つ状況にある。特筆しておくべき事はビ-ム冷却や高輝度実験を含む次世代の原子核実験の開始を目指して、その第一段階としてのビ-ムサ-キュレ-ションリングが建設されていることであろう。 このような測定系を用いた実験による新しい研究課題の検討も進められている。とりわけ、偏極測定による相対論的核模型の検証、原子核内のパイ中間子のふるまい、原子核中心部における核子および核力の様子、高励起領域における新しい型の集団運動の研究、中性子・陽子数が大きく異なる不安定原子核の構造等について、興味深い課題が出されてきている。
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