研究分担者 |
黒柳 登喜大 九州大学, 理学部, 教授 (70037159)
宇井 治生 広島大学, 理学部, 教授 (70004265)
有馬 朗人 東大学, 理学部, 教授 (40011465)
丸森 寿夫 筑波大学, 物理学系, 教授 (10037145)
三雲 昴 筑波大学, 物理学系, 教授 (40015475)
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研究概要 |
本年は,この科学研究費の第一年度であり,実施が遅くなったが,次のように研究会,共同実験,理論計算,実験装置の開発研究を行った. (1) 10月に東京において高スピン状態の原子核構造に関する研究会を開催した. 多くの討論が行われ,成果があった. (2) 3月に広島において国際共同研究に関係した実験装置を主とした小型の研究会を開いた. ニールス・ボーア研究所における8ヶ国の共同研究において日本で開発する装置の報告がなされ,有益な討論があった. (3) 筑波大学のタンデム・バンデグラフを用いて原子力研究所及び関東地方の大学の研究者が,高スピン状態の核分光学の研究を行った. (4) 九州大学のタンデム・バンデグラフを用いて,広島大学と九州大学のグループがクーロン励起の共同実験を行った. (5) ガンマ線測定用のアンチ・コンプトン・スペクトロメータを作った. BGOとGeを用いたもので,非常に優れた性能を発揮した. (6) 原子核構造の理論計算を募集し,6グループが高スピン励起状態の計算を実施した. この計算により原子核構造の最近発見された種々の現象が解明されることが期待される. 以上のように本年度の研究実施の期間は短かったが,丁度ユールス・ボーア研究所における国際共同研究が出発した年でもあり,この分野の研究は原子核物理学においても注目されているときで,今後の研究成果が期待される.
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