研究課題/領域番号 |
62302019
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
層位・古生物学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小林 巌 新潟大学, 理学部, 教授 (70018266)
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研究分担者 |
保柳 康一 信州大学, 理学部, 助手 (30202302)
野村 律夫 島根大学, 教育学部, 助教授 (30144687)
山内 靖喜 島根大学, 理学部, 助教授 (70032612)
立石 雅昭 新潟大学, 理学部, 助教授 (00126426)
藤井 昭二 富山大学, 教養部, 教授 (30019236)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | 日本海 / 層序 / 対比 / 新第三系 / 第三紀 / 古環境 / 古地理 / 古生物地理 |
研究概要 |
本研究では、日本海沿岸地域を北から北海道北西部、北海道南西部、青森、秋田、山形、新潟、信州、西南日本の北陸、山陰の8地域に分け、後期新生代層の層序学的研究を実施した。最近進展した生物・火山灰・年代の各層序法を加味した岩相層序を確立し、各地域における地層の対比図を作成した。最終年度に各地の対比図に基づいて、日本海沿岸地域の新第三系対比表としてまとめた。 これらの対比図を基にして、各地域において新第三紀の古地理図を作成した。古地理図は約100〜200万年間隔で描かれた。さらに、地域毎の古地理図を総合して、日本海沿岸地域の6葉の新第三紀古地理図を作成した。 化石相(放散虫・有孔虫・軟体動物)、堆積相、構造相の観点から日本海沿岸地域あるいは古日本海の新第三紀における古環境について研究した。それらの成果の中でとくに重要な点を述べる。 中期〜前期鮮新世の東北日本の海盆におけるタ-ビダイト相の研究が進展し、粗粒砕屑物の堆積作用あるいは海底扇状地形形成のモデルが提出された。泥質物の堆積盆における層相変化、その堆積場の環境・堆積速度などが解明された。また泥質岩中の有機物(ケロジェン)は堆積環境の復元に有効な資料となった。有孔虫・軟体動物・海棲哺乳動物化石群の時空分布が明らかにされ、その変遷史が考察された。 海洋環境と古生物群の変遷から、古日本海における重要な海洋事件として、中期中新世初期における大海進・熱帯環境と熱帯群集の北上、中期中新世における島孤の隆起開始・温帯群集の成立・日本海の拡大深化・日本海的深海環境の成立、後期中新世における島孤・縁海の成立・太平洋地理区の出現、鮮新世中ごろにおける地殻変動・北方系群集の南下などであり、古環境の変化と生物群の変遷との関係が明らかになった。
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