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1989 年度 実績報告書

変質作用と高シリカ沸石の生成機構

研究課題

研究課題/領域番号 62302020
研究機関新潟大学

研究代表者

吉村 尚久  新潟大学, 理学部, 教授 (40018255)

研究分担者 溝田 忠人  山口大学, 工学部, 助教授 (10018666)
上田 智  大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (20029870)
歌田 実  東京大学, 総合研究資料館, 助教授 (50012406)
赤井 純治  新潟大学, 理学部, 助教授 (30101059)
中島 和一  神戸大学, 教育学部, 教授 (70030559)
キーワード沸石 / ゼオライト / 高シリカ / 電子線回折 / 格子像 / 積層不整 / 化学組成 / 合成
研究概要

今年度の研究成果の主なものは次の通りである。
1.電子線照射による損傷防止:昨年、加熱しながら真空に排気する前処理をすることによって、損傷を少なくすることが可能であることを開発したが、さらに改良を加え、この方法を有効に利用することによって次に述べる積層不整の直接観察と微小結晶の化学分析が可能となった。
2,積層不整:天然に産する状態のままで積層不整を直接観察することは困難であったが、高分解能電顕による電子線回折と格子像の観察によってダッキャルダイトの積層不整の解析を可能にした。その結果、a^*およびb^*面に平行な板状の逆格子ディスクを形成していると考えられる。
3.化学組成:火山ガラスを交代する微小な沸石の分析電顕による分析に際して、アルカリ元素の散逸について検討し、ある程度の目途をつけることに成功した。フェリエライトについては信頼できるデ-タが得られた。しかし、斜プチロル沸石については、なお一層の検討を要する。
4.輝沸石-斜プチロル沸石の組成変化:酸素72あたりの構造式で、2価陽イオンは4個が最大値で、それ以上は束沸石に変化する。輝沸石の組成はAlの減少Siの増加と共に2価陽イオンが減少し1価陽イオンが増大するが、その合計が4個以下になることはない。
5.沸石中の水の状態:平衡水蒸気圧の温度変化の測定から、沸石中の水の状態をエントロピ-値として表現し、水の状態のキャラクタリゼ-ションをおこなった。この過程で水の吸・脱着エンタルピ-も求まる。
6.生成条件と性質の変化:天然の沸石の産状・るい帯分布などから熱水変質作用との関連・生成条件について一定の知見が得られ、鉱物学的性質の変化との対応が明らかにされた。
7.合成実験:反応時間による相変化について検討し、速度論的見地から論じると同時に、高シリカ沸石の生成条件を追及した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 吉村尚久: "村上粘土鉱床周辺変質帯のフェリエライト" 粘土科学. 29. 179-186 (1989)

  • [文献書誌] 赤井純治: "ゼオライトの電顕観察前処理としての加熱処理" 粘土科学. 29. 165-178 (1989)

  • [文献書誌] 溝田忠人: "含水珪酸塩鉱物の平衡水蒸気圧測定装置の開発と水分子のエントロピ-" 粘土科学. 29. 151-158 (1989)

  • [文献書誌] 上田智: "Al,Ga-モルデナイト固溶体の合成" 粘土科学. 29. 159-164 (1989)

  • [文献書誌] 中島和一: "クリノチロライトーハクフッ石系におけるキフッ石の合成と熱的性質" 鉱物学雑誌. 19. 127-139 (1989)

  • [文献書誌] 歌田実: "伊豆半島におけるゼオライトの産状・分布・成因" 粘土科学. 30. 11-18 (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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