研究課題/領域番号 |
62302043
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
コンクリート工学・土木材料・施工
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田辺 忠顕 名古屋大学, 工学部, 教授 (50144118)
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研究分担者 |
畑中 重光 三重大学, 工学部, 講師 (00183088)
加藤 雅史 名古屋大学, 工学部, 講師 (50115549)
梅原 秀哲 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (70151933)
島田 静雄 名古屋大学, 工学部, 教授 (90023035)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 柱の靱性 / 鉄筋の座屈 / 繰返し載荷 / 有限変形解析 / 震動破壊 / 座屈実験 |
研究概要 |
鉄筋コンクリート構造物の地震による最終破壊現象は、柱あるいは、橋脚のコンクリート部分の剥落劣化、引き続いて起こる鉄筋の座屈、柱断面中心軸のくい違いによるものが多い。すなわち、地震時のRC構造物の終局破壊は、RC部材の局部座屈、全体的な不安定化として、とらえる事ができる。 この為に、まず、RC構造物解析に有限変形理論を適用し、梁柱構造物に対して大変形解析を可能とするFEM解析プログラムの開発を行った。この中には、当然の事ながら、幾何学的な非線形性と材料的な非線形性の両要因がふくまれている。 つぎに、柱に軸方向荷重をかけながら、水平方向に変位させる静的実験および震動実験を行った、いずれも正負繰り返し載荷を与えて、終局破壊に至らせたのである。これらの実験をさきに開発した有限変形解析手法に基づく理論解析結果と比較し、解析手法の妥当性を検証した。そして、いままで、実験的にのみ求められていた、RC構造物の終局変位(時々、靱性とよばれている)を、解析的に求める見通しを得た。すなわち、地震作用を受けるコンクリート構造物のエネルギー吸収能を解析的に求める手法を明らかにするとともに、実際に、腹鉄筋の効果、軸方向力の効果、せん断剛性の影響等を計算によって求めた。そして、実験式が提案されているパラメータについては、それらをその実験式の値と比較して、ほぼ良好な一致をみた。 最後に、先に述べた計算方法により、静的な繰り返し荷重変位曲線を求めた後、それを動的解析に応用して、動的破壊がいつ生じるか計算を行った。これは、動的な破壊現象を明らかにするためである。この結果、動的な破壊は、構造物の接線剛性マトリックスの行列式が零になる点と密接な関係があり、この零点を明らかにする事により、RC構造物の動的最終破壊点を推定しうる見通しを得た。
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