研究課題/領域番号 |
62302045
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
土屋 義人 京都大学, 防災研究所, 教授 (90025883)
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研究分担者 |
磯部 雅彦 東京大学, 工学部, 助教授 (20114374)
安田 孝志 岐阜大学, 工学部, 教授 (10093329)
山下 隆男 京都大学, 防災研究所, 助手 (30111983)
間瀬 肇 京都大学, 工学部, 助手 (30127138)
岩垣 雄一 名城大学, 理工学部, 教授 (90027201)
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キーワード | 海岸波浪 / 波群 / ソリトン / Schrodinger方程式 / 不規則波浪 / 波浪エネルギ- / 方向スペクトル / 海浜断面形状 |
研究概要 |
最終年度として、海岸波浪の波群からソリトン構造への遷移過程を明らかにするよう研究したが、得られた結果は次のようである。 1)非線形SchrodingerおよびZakharv方程式に基づき、実測波群を初期値とした時間発展解を求め、これらの方程式の現地波浪への適用を検討するとともに、波群構造の限界の存在を調べた。一般に波群が形成されると、それは比較的安定であるが、形によっては崩壊する場合もあることが示された。また、これらの過程における包絡ソリトンの不安定性に及ぼす海底勾配項の影響も数値的に検討した。 2)現地波浪デ-タの解析から、連結スペクトルを持つ不規則波列の波群は包絡ソリトンのような定常性をなく、伝播に伴ってスペクトルのバンド幅だけでなく、分散性、非線形性によっても変動することが分り、これが波群の分裂に関係することが見出された。搬送波のソリトン構造の限界を修正Ursell数の関数として求め、波浪ソリトン群の統計理論を展開させ、統計力学的手法の導入を試み、ソリトン群のエネルギ-配分から、その分布関数を求めた。 3)波浪の方向スペクトルに及ぼす波群構造の影響を検討するために、標準化された方向スペクトルの推定法を提案し、現地波浪デ-タによってその適用性を明らかにするとともに、波群構造の空間的遷移特性を研明することに役立てた。 4)これらの諸研究を基にして、波群からソリトン構造への遷移、移行のプロセスを総合的に検討したか、そこには波浪の変調現象が存在するので、単一の取扱いでは説明できない部分があること、および極浅海域においてはソリトン構造への移行は明らかな場合が多く、その理論的表示の1つを示すことができたと考えている。
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