研究課題/領域番号 |
62302054
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
溶接工学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩田 光正 広島大学, 工学部, 教授 (80034346)
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研究分担者 |
西沢 英和 京都大学, 工学部, 助手 (70127116)
太田 省三郎 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (10139404)
吉岡 靖夫 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (40061501)
本田 和男 岡山大学, 工学部, 教授 (20032914)
永井 欣一 広島大学, 名誉教授 (10034290)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 溶接構造物 / X線応力測定 / 残留応力 / 塑性変形 / φ-Sin^24法 / PSPC / 疲労強度 / 呈色反応 |
研究概要 |
溶接構造物の強度に影響する残留応力は、溶接法や組立順序によって変化するので、実構造物の安全を確保するためには、構造物ごとに非破壊的な方法で実測しておく必要がある。本研究では、実構造物への適用が困難であったX線応力測定法をとりあげ、これを実構造物に適用するに際しての諸問題のうち以下に述べる主要な点について解決した。 1.溶接構造物に分布する残留応力には、溶接残留応力と拘束残留応力に分けられるが、このうち拘束応力は母材部でも測定可能で、X線によって妥当な応力値が得られることを示した。これに対して溶接残留応力は、殊に溶接部でX線による測定値が破壊的測定法によるそれと一致しない点に問題があり、今後検討を要する。 2.構造部材の交叉部では、Sin^24法によるX線応力測定法で測定できなかったが、新しく開発したφ-Sin^24法では精度よく計測可能となった。 3.多結晶金属材料の微視的変形挙動を検討し、巨視的弾性定数に与える影響を明らかにして、上述の1.における問題点に対する手がかりを得た。 4.PSPCを用いた実機用の迅速X線応力測定装置を開発するとともに、弾性定数の測定を行って、その測定精度を確認した。この装置によって測定時間を従来の装置の1/4以下に短縮できた。 5.溶接残留応力が疲労強度に及ぼす影響を実験的に検証した上に、ピーニング処理による圧縮残留応力の効果を明らかにした。 6.溶接部の表面残留応力をエッチングに伴う呈色反応によって評価する方法を確立し、X線応力測定の補助的手段となり得ることを示した。 7.リサージュ型の自動姿勢制御機構を有するゴニオメーターを開発し、位置決め操作から応力値の算定に至るまでのすべての測定作業の高速化と自動化を行った。
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