研究分担者 |
伊達 宗宏 理化学研究所, 生体高分子物理, 研究員
祖父江 信夫 名古屋大学, 農学部, 助手 (50023495)
滝 欽二 静岡大学, 農学部, 助手 (00022252)
岡野 健 東京大学, 農学部, 教授 (30011927)
甲斐 勇二 静岡大学, 農学部, 助教授 (60022068)
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研究概要 |
本年度は種々のセルロース誘導体を合成し, それらの微視的および巨視的構造をX線回折法により調べ, 圧電, 誘電さらに焦電, 強誘電性等の電気物性および力学物性について検討する予定である. 本年度はまずシアノエチルセルロース, トシルセルロースを合成し, 物性の検討を始めている. フッ素系のセルロース誘導体についての検討は来年度に計画しており, 現在合成グループでその合成方法について検討を始めている. 合成グループがシアノエチルセルロース, トシルセルロースを合成し, それらの試料を各分担者に配り, 各分担者が現在, それぞれの分担について検討を始めている. また十分な結果は得られていないが, シアノエチルセルロースは誘電率が非常に高く, その他の電気物性も期待できるものと考えられる. 薄膜の作製後, 延伸し, 配向さらに結晶化もどの程度できるかが, 圧電性を左右することになる. 現在の段階では, 約50%程度まで延伸させることができるようになっており, この試料で予想通り高圧電性を持つシアノエチルセルロースを得ることができた. これから種々の配向度での圧電特性を調べ, 構造との関係を検討し, セルロース誘導体の電気物性の発現機構についても検討することにしている. またシアノエチルセルロースの合成では現在, 置換度2.68, 2.02, 1.93の3種類の試料を得て, 置換度と構造および物性との関係を検討し始めているところである. トシルセルロースではその置換度が大きいため, セルロースの第6位の一級の水酸基に入ることがわかっているが, 可塑性に欠しく, 延伸薄膜の作製に難行しており, 現在適切な延伸薄膜の作製方法を検討している. この分野での研究状況の把握のために, 各分担者が国内外のそれぞれの分野での文献調査を行ない, 従来の研究の文献, 書籍を一覧表にし, まとめて册子とし発行することにした.
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