研究課題/領域番号 |
62302055
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
平井 信之 静岡大学, 農学部, 教授 (70023439)
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研究分担者 |
祖父江 信夫 名古屋大学, 農学部, 助手 (50023495)
白石 信夫 京都大学, 農学部, 教授 (70026508)
甲斐 勇二 静岡大学, 農学部, 助教授 (60022068)
渡辺 泰成 理化学研究所, 研究員 (70087401)
丸山 則義 静岡大学, 農学部, 助手 (10022253)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | セルロース誘導体 / 圧電性 / 誘電性 / 電子機能性 |
研究概要 |
この研究は電子機能性材料をセルロース誘導体から作り出し、同時にその機構を明らかにしようとして昭和62年度、63年度の2箇年で行なわれた。現在、研究はなお途中であり、続けて行なわれているが、これまでの成果の概要を述べる。 1.関連文献の集録と冊子の刊行、それぞれの分野で行なわれてきた関連の文献を集め「電子機能性をもつ新しいセルロース誘導体の開発とその電気的特性に関する研究に関する既往の文献および書籍一覧」を刊行した。 2.セルロース誘導体の合成 シアノエチルセルロース、セルローストシレート、ポリジメチルシロキサンを側鎖にもつセルロース誘導体および含フッ素セルロース誘導体の合成を行なった。 3.セルロース誘導体の結晶構造、電子線、X線回析により結晶性について検討した。セルロース誘導体の場合、結晶相、非晶相が混在するために精密な解析は難しい。今後、2糖類、3糖類等の誘導体の単結晶を作って検討する必要がある。 4.セルロース誘導体の電気的性質、セルロース誘導体の電気的性質について圧電性を中心に検討を行なってきた。焦電性、強誘電性についての可能性を試みたがシアノエチルセルロースでは明らかでなかった。高圧電性のシアノエチルセルロースを得るには高延伸をする必要がある。熱延伸法よりも溶剤を用いた膨潤法が有効であった。 5.力学特性、セルロースに起こる圧電現象を応用して木材のせん断弾性率の測定法を、また弾性の異方性を利用した新しい振動モードの検討を行なった。本研究ではそれぞれの分野の研究者が集まりセルロース誘導体の物性の検討を試みたもので、今後、この方面の研究の発展につながることになればと考えている。
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