研究課題/領域番号 |
62303008
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
鉱物学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
津末 昭生 熊本大学, 理学部, 教授 (20011512)
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研究分担者 |
佐藤 興平 地質調査所, 鉱物資源部, 主任研究官
柴田 賢 地質調査所, 地殻化学部, 部長
清水 正明 東京大学, 総合研究資料館, 助手 (50162714)
加納 隆 山口大学, 理学部, 助教授 (60108264)
島崎 英彦 東京大学, 理学部, 教授 (50013751)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | ジュラ紀花こう岩類の比較 / 飛騨帯 / 韓国 / REEパタ-ン / 同位体年代 / Sr初期値 / モ-ド組成 / 花こう岩類の地質岩的位置関係 |
研究概要 |
飛騨変成帯と韓国のジュラ紀花こう岩類を比較検討するために、飛騨変成帯のジュラ紀花こう岩類の主成分化学組成、微量元素含有量、造岩鉱物の化学組成等を研究した。飛騨変成帯と韓国のジュラ紀花こう岩類は、そのモ-ド組成に関しては類似しているが、同位体年代は飛騨変成帯で200-180Ma、韓国で190-140Maと多少異なる。また、飛騨変成帯のジュラ紀花こう岩類は磁鉄鉱系花こう岩類で、韓国のそれは一部チタン鉄鉱系で、一部磁鉄鉱系である。飛騨変成帯中のジュラ紀花こう岩類の全岩REEパタ-ンは岩体ごとに異なり、これらはほぼ三大別される。すなわち、 1)SiO_2の増加に伴って負のEu異常が著しくなるもの。 2)SiO_2の増加に伴って負のEu異常が殆ど変化しないもの。 3)殆ど負のEu異常を示さないものである。 1)のタイプ花こう岩体は主として分別結晶作用によって分化したものであろう。3)のタイプの花こう岩類は韓国のジュラ紀花こう岩類のREEパタ-ンと類似している。こようなREEパタ-ンを示す花こう岩類は A)地殻下部のエクロジャイトがザクロ石を残して部分溶融したか、 B)地殻下部の角閃岩が角閃石を残して部分溶融したか、 C)石英閃緑岩質マグマが角閃石を残して分別結晶作用をしたか、 のいずれかであろう。また、飛騨変成帯中のジュラ紀花こう岩類のSr初期値が南東から北西に向かって、すなわち、大陸側にむっかて0.7046から0.7086と増加している(田中・加賀美、1987)。一方、韓国のジュラ紀花こう岩類のSr初期値は0.710-0.718の値を示している。従って、日本海が開く前には韓国のジュラ紀花こう岩類は飛騨変成帯のジュラ紀花こう岩類より大陸側に位置していたと考えられる。
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