色素材料の耐光性に関する基礎的・総合的研究

1988 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 62303012
• 研究機関: 実践女子大学
• 研究代表者: 飯島 俊郎 実践女子大学, 家政学部, 教授 (40016283)
• 研究分担者: 内田 安三 東京大学, 工学部, 教授 (00010752) ; 城田 靖彦 大阪大学, 工学部, 教授 (90029091) ; 北尾 悌次郎 大阪府立大学, 工学部, 教授 (10081324) ; 徳丸 克已 筑波大学, 化学系, 教授 (60011491) ; 飛田 満彦 東京都立大学, 工学部, 教授 (60087301)
• キーワード: 色素退色 / 退色機構 / 色素の光電変換 / 色素の会合 / 染着状態 / 色彩評価

研究概要

1.色素光退色の光化学的研究:色素の光退色における温湿度効果(飛田)光退色制御における一重項酵素クエンチャーの寄与(北尾)、アントラキノン系・キサンテン系化合物の光反応(徳丸)についての知見を得た。
2.色素光退色の物理有機化学的研究:半導体化したポリマー基質にペリレン系・キノン系顔料を分散した薄膜の光電変換(城田)、2ーヒドロキシアゾ色素の光酸化(正泉寺)機構を明らかにした。
3.色素光退色の界面化学的研究:アニオン活性剤と油溶性染料(萩野)、高分子ラテックスと繊維(須沢)との相互作用を機構的に調べた。
4.色素光退色における基質効果に関する研究:染色物の耐光性に及ぼす裏素材の影響(平嶋)、羊毛のクリスタルバイオレット染色物の耐光性に及ぼす細胞膜錯体の影響(古賀)についての知見を得た。
5.色素光退色における固着・染着状態の効果に関する研究:酸性染料/BSA/セルロース系、非イオン染料/NSF/セルロース系の光退色(渋沢)、側鎖にパラローザニリンを持つ(L-グルタミン酸)膜の光刺激反応(滝沢)、反応性染料の絹への染着性と耐光性(安藤)、植物色素の金属錯体形成と耐光性(片山)について明らかにした。
6.色素光退色における共存物質の効果に関する研究:ビニルスルホン系反応染料/セルロース系の異常退色(森田)、アゾ系含銅反応染料の光退色に及ぼす汗成分の影響(駒城)、天然色素の耐光性に及ぼす紫外線吸収剤タンニン酸の効果(木村)を検討した。
7.表示材料色素・画像形成色素の光安定性に関する研究:アザマクロサイクル系化合物の金属錯体の光電特性を検討した(内田)。
8.色彩の計測評価に関する研究:短時間の露光結果から長期露光後の色彩変動を推定する方法(寺主)、耐光性評価の際の標準的色濃度測定方法(村田)を提案した。

研究成果

• [文献書誌] 北尾悌次郎: J.S.P.C.104. 173 (1988)
• [文献書誌] 北尾悌次郎: Dyes Pigments. 9. 419 (1988)
• [文献書誌] 北尾悌次郎: Chem.Express. 3. 763 (1988)
• [文献書誌] 北尾悌次郎: Chem.Expess. 3. 767 (1988)
• [文献書誌] 北尾悌次郎: Chem.Express. 3. 151 (1988)
• [文献書誌] 北尾悌次郎: Dyes Pigment. 10. 13 (1988)
• [文献書誌] 北尾悌次郎: J.S.D.C.105. 26 (1989)
• [文献書誌] 正泉寺秀人: Chem.Express.
• [文献書誌] 須沢利郎: 繊維学会誌. 44. 250-255 (1988)
• [文献書誌] 須沢利郎: Colloid Polym Sci. 269. 34-38 (1989)
• [文献書誌] 平嶋恒亮: Chem.Express. 3. 639 (1988)
• [文献書誌] 渋沢崇男: 繊維学会誌. 44. 296-302 (1988)
• [文献書誌] 渋沢崇男: J.Appl.Polym.Sci.
• [文献書誌] 滝沢章: Macromolecules. 21. 3419 (1988)
• [文献書誌] 滝沢章: Polymer J.20. 761 (1988)
• [文献書誌] 滝沢章: 日本ゴム協会誌. 61. 820 (1988)
• [文献書誌] 森田全三: Dye Pigments.
• [文献書誌] 木村光雄: 日本家政学会誌.
• [文献書誌] 内田安三: J.Chem,Soc.
• [文献書誌] 寺主一成: 繊維製品消費科学. 29. 162 (1988)
• [文献書誌] 村田幸男: "色の制御・管理技術" 総合技術センター,