研究課題/領域番号 |
62303018
|
研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
荒川 信彦 お茶の水女子大学, 家政学部, 教授 (40017223)
|
研究分担者 |
妻鹿 絢子 山梨大学, 教育学部, 助教授 (40020507)
五十嵐 脩 お茶の水女子大学, 生活環境センター, 教授 (40017231)
本間 清一 お茶の水女子大学, 家政学部, 助教授 (50017240)
島田 淳子 お茶の水女子大学, 家政学部, 教授 (60017233)
小林 彰夫 お茶の水女子大学, 家政学部, 教授 (40005591)
|
キーワード | 食品の品質特性 / 食品の嗜好性 / 食品の調理性 / 食品の安全性 / 食品加工貯蔵性 |
研究概要 |
食品の品質特性の解析を昭和62年度に得られた実験成果をもとに、嗜好性、加工貯蔵性、安全性の各領域で多面的な研究を行った。嗜好特性に関して小林は、食品の嗜好性とフレーバーとの関係を牛肉のスープストックを材料として検討し、揮発性有機酸がスープ香気の補助因子として重要であることを示した。また、妻鹿は加熱により結合組織から溶出されてくるアミノ酸の量的変化を調べ、特にプロリンとヒドロキシプロリンおよびグルタミン酸との相互作用がスープストックの味に大きく関与することを認めた。加工貯蔵特性に関して、本間は分離大豆蛋白質の貯蔵時においては中性脂質および糖脂質の含量に著しい変化は起こらないが、脱脂大豆においては高極性の脂質が分解して低極性脂質の増加が認められることを示した。田島は食肉の加熱調理によって筋漿蛋白質の大部分は熱凝固によって浸漬液中から除かれるが、分子量10000程度の可溶化蛋白質が増加することを示した。島田は茎菜類および果菜類の加熱による軟化速度と最適軟化率から最適加熱時間の予測が行えることを実証した。食品の安全性に関して、五十嵐は油脂の酸化時におけるビタミンE同族体の抗酸化性の比較を行い、多価不飽和脂肪酸の酸化防止の初期にはα-トコフェロールの存在が必要であり、γ-トコフェロールおよびδ-トコフェロールはα-トコフェロールによって再生されるために、高温下でも長時間その効果が持続されることを推定した。荒川は、食品中に存在するビタミンC関連物質および食品添加物として汎用されているエリソルビン酸の変位原性の有無を調べ、サルモネラ菌TA98およびTA100による試験では検定したビタミンC関連物質の中でジケトグロン酸以外はいずれも変異原性を示さないことを認めた。
|