研究課題/領域番号 |
62304003
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松田 博嗣 九州大学, 理学部, 教授 (10027336)
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研究分担者 |
巌佐 庸 九州大学, 理学部, 助手 (70176535)
山村 則男 佐賀医科大学, 一般教育, 助教授 (70124815)
石井 一成 名古屋大学, 教養部, 助教授 (00037285)
阿部 琢哉 京都大学, 理学部, 助教授 (00045030)
高畑 由起夫 京都大学, 理学部, 助手 (90183061)
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キーワード | 性差 / 進化生態学 / 性表現 / 遺伝機構 / 単為生殖 |
研究概要 |
本年度は、昨年に引続き2回の研究集会を開いた。第1回目の研究集会は、1988年11月に京都大学理学部にて行い、班外から広吉寿樹、鶴崎展巨と富田盛史の3氏を招待し、性決定の遺伝的機構及び単為生殖についてご講演いただいた。第2回の研究分担者会議は、同じく京都大学理学部にて、1989年2月に行い、2年間を通じての研究成果について報告した。性による差異は、子の保護・性行動・移動定住性・利他行動などに広く見られるが、これらの実態を広範囲の生物群にわたって統一的に把握するとともに、植物を含めての多様な性表現の進化的起源を、比較生態学及び数理モデル的研究によって追及することが、この研究の目的であった。この総合研究には、霊長類・哺乳類・鳥類・魚類・昆虫から植物までを含む広範囲の対象生物について性差の起源に強い関心をもつ広い分野の生態学者・行動学者と数理生態学者が密接な研究連絡を取ることによって、総合的な研究を進め、多数の研究集会・公開講演会を通じて、異なる分野の研究者の間に交流が生まれたことは今後の発展に大変有意義であった。班外からも遺伝学・生理学の方々をお招きして、勉強会とした。 性をめぐる諸問題には行動上の性差の進化に加えて、雌雄同体と異体・性の転換・遺伝/環境性決定など性表現の進化、さらには繁殖において他個体の遺伝形質を混ぜて次世代を作るという有性生殖そのものの意義という未解決の難題、などを重層的に含んでいる。別に出版する各分担者の報告にもあるように具体的な成果も上がってきたが、何よりも異なる対象生物に共通な研究課題が存在することが明らかになったことが、この総合研究の大きな成果である。今後はこの総合研究で得られた研究者のネットワークを生態学に留まらず遺伝学・心理学・人類学など性に関する諸分野にも広げて行くことが望ましい。
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