研究課題/領域番号 |
62304006
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
千原 光雄 筑波大学, 生物科学系, 教授 (60000147)
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研究分担者 |
黒岩 常祥 東京大学, 理学部, 教授 (50033353)
井上 勲 筑波大学, 生物科学系, 講師 (70168433)
横濱 康継 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (50015583)
猪川 倫好 筑波大学, 生物科学系, 教授 (50015541)
堀 輝三 筑波大学, 生物科学系, 教授 (90057563)
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キーワード | 黄色植物 / クロロフィルac植物 / グリコール酸酸化酵素 / 系統 / 光合成色素 / 色素体核 / 細胞分裂 / 鞭毛装置 / 類縁 |
研究概要 |
クロロフィルac植物の代表群,1)黄金色藻網 2)シヌラ藻網 3)珪藻網 4)黄緑藻網 5)真眼点藻網 6)褐藻網 7)ラフィド藻網 8)ハプト藻網およびa)クリプト藻網について、類縁の解析に有力な手掛りを与えると類推される下記の形質について研究した。主な結果を記述する。 1.鞭毛装置構造-上記の藻群1)、2)、4)、5)、6)、7)は互に類似し類縁関係の近さが推測できる。8)の藻群は長鞭毛の鞭毛根の一つが時計回りに走行し、微小管形成中心をもち、細胞骨格微小管を生ずるなど、他の群と大きく異なる構造をもつ。9)クリプト藻も他と大きく異る。 2.有糸分裂過程-上記8)ハプト藻網6属9種の中、パブロバ属2種を除き、総てが基本的に同じである。鞭毛装置が有糸分裂後半まで分離が起らないこと、紡錘糸微小管は長鞭毛から伸びる繊維性根系に由来する点はパブロバ属の特異形質と考えてよい。 3.色素体核-上記藻類は基本的にはリング型色素体核である。そこでAC植物以外にリング型色素体核をもつ単細胞紅藻イデユコゴメM8株の全生活環を調べた結果、コムギ属で知られた中心局在型→リング型→分離型といった発生に伴う色素体核の形状変化は見られなかった。 4.光合成色素組成-上記藻類の4)黄緑藻網24株、4)より近年分離独立した5)真眼点藻網8株の色素組成は、前者が例外なくC_1C_2をもつがC_3を欠如に対し、後社は全くCを欠如の結果を得た。両網の分類上の独立性が再確認された。なお知られる限りでは、5)はいずれも単細胞性であり、今回精査した糸状藻はいずれも4)に所属することが判明した。 5.グリコール酸酸化酵素-上記藻群の1)、2)、4)、5)、6)、7)の構成種11種はいずれも例外なくグリコール酸オキシダーゼであり、3)珪藻類3種とクリプト藻類2種はいずれもデヒドロゲナーゼであった。陸上植物系列の緑色植物が例外なくオキシダーゼである点と比べ興味が深い。
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