研究課題/領域番号 |
62304012
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
片山 一道 京都大学, 理学部, 助教授 (70097921)
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研究分担者 |
土肥 直美 九州大学, 医学部, 助手 (30128053)
加藤 征 慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (60056851)
溝口 優司 国立科学博物館, 人類研究部, 研究官 (00110106)
百々 幸雄 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50000146)
山口 敏 国立科学博物館, 人類研究部, 部長 (80000115)
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キーワード | ヒト骨格 / 非計測形質 / 遺伝率 / 家系分析 / 多因子遺伝モデル / ニホン頭蓋 / 横口蓋ヒダ / 多耳道骨腫 |
研究概要 |
昭和63年度の各研究分担者が実施した研究の概要は以下の通りである。 1.頭蓋の非計測小変異20計質について、縄文時代から現代に至る日本人の間で出現率を調べ、各形質の時代変化を比較して、その理由を検討した。その結果、検査した大多数の形質で遺伝性が極めて高いことを示唆するデータが得られた(百々)。2.現代日本人の双生児資料から、14種類の歯冠の非計測形質について、左右非対称性の遺伝的・環境的変異の程度などを分析した。この結果、これら形質の非対称性は大部分環境要因によって引き起こされていることが判明した(溝口)。3.石巻市五松山洞窟遺跡出土の古墳時代人骨を具体例として、頭蓋の非計測的形質を用いて個体レベルでの集団帰属性を推定する統計的方法を模索した(山口)。4.東京の周光山済海寺で収骨された長岡藩牧野家の関係者の遺骨について、頭蓋と体肢骨の非計測形質の家系分析を継続した(加藤、竹内)。5.多因子遺伝のモデルを適用して、骨格の非計測形質の出現率についてのシミュレーション分析を行って、遺伝率と混血集団で期待出現率を求める方式を示した(青木)。6.血縁者から採取した全顎石膏模型を用いて、口蓋にある非計測形質である横口蓋ヒダの親子・同胞間の類似性について分析して、これらのヒダの形状が血縁者間で類似性が高いことを示した(酒井)。7.ニホンザルの骨格資料から分割舌下神経管の形態に関する観察データを集めて、この形質の出現に及ぼす年齢や性の影響、さらには側差について分析した(毛利)。9.縄文時代人骨での外耳道骨髄のスクリーニング調査を続行して、約600体分の頭蓋についての検査をこれら発掘人骨を保管する各地の研究機関で実施した(片山)。10.ニホンザル骨格の頭蓋非計測小変異を大規模に調査して、地域変異の実態を明らかにした(黒田)。11.骨格の形態小変異形質を血縁関係の推定に用いる方法の有効性と考古学での実用性について検討した(土肥、田中)。
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