研究課題/領域番号 |
62304016
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
勝野 貞哉 北海道大学, 農学部, 助教授 (00001397)
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研究分担者 |
岩下 嘉光 宇都宮大学, 農学部, 教授 (20007884)
須貝 悦治 東京農工大学, 農学部, 教授 (90014935)
田中 一行 信州大学, 繊維学部, 教授 (00021139)
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キーワード | 天蚕 / 柞蚕 / 休眠 / 精子形成 / 成熟分裂 / 卵形成 / 胚発生 |
研究概要 |
1.柞蚕休眠蛹は越冬期間を130日間とした場合、全期間を2.5℃で処理し、その雄蛾を正常雌蛾と交配させた場合の次代卵の孵化率は高く、5℃のそれは低かった。また休眠雄踊を処理開始から50日目以前または以後5℃で処理し、それ以外の期間を2.5℃で処理した場合の次代卵の孵化率は、全期間2.5℃で処理した場合と同様に高かった。したがって次代卵の孵化率からみた両温度の臨界期は処理開始から50日目に当ることが明らかとなった。(勝野) 2.精子形成に関連するDNA合成は、天蚕および柞蚕では主として5齢以前に行なわれることが推定された。柞蚕×天蚕の5齢盛食期における精巣を電顕レベルで観察し、種々の微細構造を明らかにした。なお肥厚期の染色体の微細構造を同時期の柞蚕のそれと比較したが、形態学上の異常は認められなかった。柞蚕×天蚕の染色体数はn=40(天蚕 n=31、柞蚕 n=49)のものが観察されたが、調査個体数が少なかったので、今後さらに検討を要する。(田中) 3.柞蚕の蛹期における卵形成は、休眠前に新卵巣が形成されることが特異的で、旧卵巣内に位置する卵管柄が著しく伸長し、卵巣小胞が全体的に新卵巣に移行した。休眠離脱後には旧卵巣中の卵管柄がさらに伸長して細長い紐状の輸卵管を形成し、その先端部に膨らんだ卵管巣が位置していた。(須貝) 4.走査電顕により、天蚕胚の頭部付属肢の形態形成を中心に観察を行った。大腮、小腮、下唇および触角の各原茎は産卵後24時間に認められ、触角以外は産卵後120時間に、触角は150時間に幼虫形態を呈した。上唇原茎は産卵後36時間に認められ、120時間後に幼虫形態を呈した。下咽頭原茎は産卵後36時間に認められ、84時間以降は大腮で被覆されて見えなくなった。(岩下)
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