研究課題/領域番号 |
62304017
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
向山 文雄 東京農工大学, 農学部, 名誉教授 (80014934)
|
研究分担者 |
浜野 国勝 東京農工大学, 農学部, 助手 (60015089)
福原 敏彦 東京農工大学, 農学部, 教授 (70011880)
岩成 義才 東京農工大学, 農学部, 名誉教授 (40014899)
伊藤 智夫 関東短期大学, 教授 (50168358)
|
キーワード | 飼料効率 / カイコ / 呼吸商 |
研究概要 |
カイコ幼虫を炭水化物、脂質およびタンパク質の三種のうち一種を欠く飼料で飼育し、成長を観察し、ワ-ルブルグマノメ-タ-を用いて呼吸量を測定した。炭水化物欠除飼料区は呼吸商が低く、次いで脂質欠除区であり、タンパク質欠除区が最も高かった。4齢期の平均呼吸商は炭水化物欠除区0.78、脂質欠除区0.82、タンパク質欠除区1.01であった。すなわち、タンパク質欠除区では主として炭水化物が、脂質欠除区ではタンパク質と炭水化物が、また炭水化物欠除区では主としてタンパク質と脂質がそれぞれ呼吸基質として燃焼し、利用され、生命依持に用いられている事を示している。結論として、呼吸商の数字はカイコが生命維持に利用している物質の種類を正確に反映しているといえる。またそれらの値が飼料の質により左右されることが明らかにされた。 一方、利用され燃焼される炭水化物、脂質、タンパク質の比率を推定し、タンパク質の利用される比率を低下させれば飼料窒素利用効率の向上をもたらすことができる。そこで、それぞれの区の排泄尿酸量を測定し、尿酸を生産するに要する酸素、生産した結果生じた炭酸ガスの量を算出した。それらの数値を呼吸の実測値から除し、いわゆる非タンパク質呼吸商、すなわち、タンパク質以外の物質の燃焼に起因する呼吸の部分を推定した。また、その非タンパク質呼吸商より脂質と炭水化物の燃焼比率を算出し、脂質、タンパク質および炭水化物3者の燃焼加率を推定した。その結果、実用多雑種の4齢準合成飼料育蚕では、炭水化物が7、脂質が2、タンパク質が1の割合で燃焼していることが明らかにされた。
|